水晶の産地 個j人的に注目している水晶の産地はたくさんあります。 何が出てきても驚かないブラジル、中国。 へんてこ水晶の有力株、マダガスカル。 ひたひたと数を増しつつある南アフリカ、メキシコ、カザフスタン。 そしておなじみ、ネパールとロシア。 ロシアといえば、へんてこ水晶のメッカ・ダルネゴルスク……ですが、広大な国土を持つロシアのこと、シベリアだとか、カスピ海沿岸だとか、いろいろ面白い石が出る場所があります。 そして、今頃ハタと気がついたのがウラル。 ウラルという土地 私たち日本人にとっては、地図の上の一山脈ですが、「ヨーロッパ」の範囲は、ウラル山脈より西側、グルジアなどのカフカス山脈より北側の地域を指すそうです。 つまり、ヨーロッパはウラル山脈まで、という意識の境目でもあるということ。 そればかりではありません。 ウラル山脈が誕生したのは、約3億2千万年〜2億2千万年前。 当時はばらばらだったアジアとヨーロッパがひとつになった衝撃で生まれました。 つまり、ウラル山脈はその誕生からしてもヨーロッパの東の端にあたるのです。 また、約3億年前と言えば、恐竜どころかやっと魚類が誕生したくらいですから、ウラル山脈はとても古い山脈でもあります。 「ロシアン・レムリアン」として有名な、ブルー・エンジェル鉱山の水晶もウラルですし、緑がかった色合いのシトリンも出ます。 また、かつては「伝説」と言われたくらい、豊かな色合いで、しかもカラーチェンジするアメシストも出たそうです。 堂々たる風格 もちろん、スモーキーも出ます。 ウラルの北の方のPolar Uralと呼ばれる地方からは、雲母のような緑泥がラメのように輝くスモーキーや、アルプス産のものが有名なグィンデル(板状の平行連晶で、ねじれているもの)が出ます。 DoDoクォーツ(ドードー産水晶)と呼ばれる淡いスモーキーも、最近見かけるようになりました。 形のおもしろさ、へんてこりんさではダルネゴルスクにかないませんが、堂々たる風格の水晶を産出する地……というのが個人的印象です。 さて、今回のネタはウラルの石。 スモーキー・クォーツとして売られていましたが、先端をのぞいて不透明黒であること、表面がつや消しであることからして、モリオンと呼びたい水晶です。 表面に何か別の鉱物が付着しているわけでもなく、こすれたりして荒れているわけでもなく、なめらかにつや消しな肌合いのこの石は、炉辺の灯りが似合う、静かな夜のイメージ。 包み込むようでありながら、奥が見えない神秘性も兼ね備えていると思います。 角がこすれていたり、ダメージがあったりと古びた印象がある、ロシアン・レムリアンもそうですが、今もなお成長を続けるヒマラヤの石とは違う、遙かな時の長さを感じさせる石なのかもしれません。 この石は、白っぽい長石質の母岩がついているのですが、なんとその中には無数の結晶が埋もれています。(右下) この母岩の部分をきれいに磨くと、グラフィック・グラナイトのように、水晶の部分が紋様のように現れるのかもしれません。 2005年9月5日、ブログ掲載 |
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