アーカンソー産 クーク石入りファーデン

「逆立ち」の偶然





アーカンソーは透明水晶だけじゃない

アーカンソーといえば、透明で手が切れそうにシャープな水晶を思い浮かべます。
ところが、チタンガスのインクルージョン(たぶん)により、ふわりと白く曇ったエンジェルブレッシング・クォーツや、同じチタンガス入りで先端が剣山のように針状に結晶したもの、赤黒い鉄分にびっしりと覆われたものなど、意外に個性的な水晶が産出する地域でもあります。

個性派アーカンソーとしてこんな石をご紹介しましょう。
アーカンソー産のファーデンクォーツです。
ファーデンクォーツといえば、パキスタンと即答してしまいそうになりますが、ブラジルや中国など、意外にあちこちで産出するようです。
それにしても、アーカンソーとはちょっと意外。
しかも、クーク石入りとなるともっと意外。
そうです。この石にはひとつぶだけクーク石が入っています。

「逆立ち」と「こうもり」

クーク石は緑泥の一種で、日本で産出するまりも水晶のまりもがこの石です。
写真ではファーデンラインの上側、ほぼ真ん中あたりにうす緑色に写っているのがおわかりいただけるでしょうか。
アーカンソー産で、ファーデンではない普通の結晶のクーク石入りがあると言うのは知っていましたが、なんとファーデンがあったとは。

初耳なのも道理でした。
この石は、売っていたお店のオーナーご自身が採取された石だったのです。

ここでちょっと不思議なことに気がつきました。……というか、教えていただきました。
私は、石の写真になるべくくわしい産地を記入したいと思っています。
少なくとも、国名よりももう一段詳細な地名がわかれば、石について調べる手がかりになるからです。
もちろん、写真の石は採取した方からいただいたので、鉱山名までわかっています。

その鉱山名を意訳すると「逆立ち鉱山」
一方、日本のまりも水晶の鉱山は「こうもり鉱」です。
こうもりといえば、頭を下にしてぶら下がっている、つまり「さかだち」と縁があります。
同じクーク石利の水晶を産出する鉱山が、同じような名前だなんて面白い!

なにか関係でも?……と聞いてみたら、狭い坑道で頭を下にして潜りこまなければならないところだったので「逆立ち鉱山」なのだそうです。
「こうもり鉱」とは関係がありませんでしたか、面白い偶然の一致ですね。




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