アフガニスタン産 ブルー・クォーツ
山の民の青
青のショー。 アート&ジェムショー「IMAGE2005」は、私にとって、「青」にしてやられたショーでした。 それもアフガニスタンの青に。 ひとつめは、国の名を冠された、その名もアフガナイトでした。 そしてもうひとつは……アフガニスタンの青水晶です。 アップで写っておりますが、実際の大きさは3センチほど。 色は、写真よりもさらに渋めの……しかし、青。 もっと大きなしっかりした石もあったのですが、なにぶんアフガナイトに予算を食われたので、スケールダウンしてこの石に。 でも、小さくても形は堂々としていて、そこが気に入っています。 (反対側は割れていて結晶面はありません) スモーキーな青 我が家には、お隣パキスタンの(地震からの復興をお祈りします)青水晶があるのですが、比べてみると、こちらアフガニスタンの青は、ベースとなる水晶が淡いスモーキーになっており、そのために色が渋く見えているようです。 青く色づいているのは結晶の表面に近い部分で、石の下部は青くなく、光に透かすとベースとなったスモーキーの色合いがわかるのです。 さらに、錐面や接合線のくぼんだ部分が、土か鉄によって赤っぽい茶色に彩られていて渋い青となかなか面白い対比を作り出しています。 正体はクロシドライト? さて、青水晶といえば、アメシストやスモーキーと違って、水晶の中に別の鉱物が内包されることによって生まれる色です。 最近おなじみの青水晶といえば、ブラジル産のインディコライト(青いトルマリン)入りの青水晶ですが、アフガニスタンの青水晶は、おそら<パキスタン産青水晶と同じクロシドライト(青石綿)によるものであろうと思われます。 結晶表面がややざらついているため、内包物をクリアに見ることができないのですが、 ●隣国パキスタンの青水晶がクロシドライトによるもの (こちらは、表面にクロシドライトがついているので間違いないと思います) ●ルーペで見ても、針状の結晶が見られないこと ●同じ店にあった青水晶のいずれにも、トルマリンの結晶の付着がみられなかった ……ということから、判断しました。 海の青でもなく、青空の青でもない。 夜が空を覆う直前の、薄暮の青。 小さな石の、重みのある青。 青い石は、不思議と心を揺さぶります。 |
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