エチオピア産 アメシスト

アフリカン・パープル





アメシスト≠短柱状?

今回の主役も小さな石です。大きさは2センチほど。
産地はちょっと珍しいエチオピア。
ころりんとした、おにぎりのようなフォルムがかわいいアメシストです。

私が石に興味を持ち始めた頃は、アメシストといえば、ブラジル産やウルグアイ産の、柱面がほとんどない、つくつくした結晶でした。
「アメシストは、不純物として混ざり込んだ鉄(イオン)によって、柱面が発達しない」と言われていて、そうか、そうなんだと思っていました。

ところが。
へんてこりんな水晶をおいかけ、マイナーな産地の水晶を多く目にするようになってみると、どうやら、「アメシスト=短柱状」という図式は、一般的なものではないように思われてきました。

スタンダードが実は個性的

「伝説」とまで言われた色合いのウラル。色が淡く、ちょっと幻想的な雰囲気のヨーロッパ。
同じく淡い色合いながら、日本の雨塚の紫水晶。
ガレロ、ベラクルスと有名なアメシストの産地を抱え、そのほかにも個性的なアメシストを産出するメキシコ。シトリンがまざったアメトリンを産出するボリビア。
クリアやスモーキーの混ざり込みや、インクルージョンが楽しい、インドのエレスチャル。
色の濃さ、鮮やかさ、輝きで人気急上昇のブランドバーグ(ナミビア)。
形も色も個性的なマダガスカルからは、最近、レーザー・タイプのアメシストが出たようです。

持っている産地もまだ持っていない産地のものもあわせて思い浮かべてみると、アメシストは決して短柱状の結晶が多いわけではないのです。
むしろ、短い柱状で、あれほどまでに色が濃く鮮やかな、ブラジルやウルグアイのアメシストの方が個性的であり、この産地ならではの特徴だと考えるべきでしょう。

アフリカン・アメシストにもいろいろ

さて、私が手にしたエチオピアのアメシストの特徴はと言えば、決して濃くはないのに、しっかり色づいていることと、若干赤みが強いこと……でしょうか。
エチオピアのアメシストが入荷したというので行ってみたお店に並んで下のは、ブラジルやウルグアイの水晶よりはずっと色合いが薄く、日本産のアメシストよりは濃い、中間色の淡め……といいたいような色合いで、ややミルキーな感じに濁り、網目のようなミスト(霧状のインクルージョン)が印象的な石たちでした。

その中から選んだこの石は、色合いは一番濃く、濁りはほとんどなく、照りも良いものです。
一緒に並んでいた兄弟石たちのなかでは、ちょっと毛色が変わっていると言えるかもしれません。
しかし、普通の色石ならば、白く見えてしまう根本の方までちゃんと色味を感じる色づき具合、そして、同じく雷の淡さのアメシストに比べて、心なし赤みが強く感じる色合い……といった特徴は、ちゃんと持っています。

鋭いエッジと、鮮やかで輝くような色合いのブランドバーグ・アメシスト魅力的ですが、大らかな形と柔らかな色合いの、アフリカン・アメシスト達も同じくらい魅力的です。





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