ゴージャス、インクルージョン 最近、妙にWEBショップで「スーパーセブン」を見かけるようになりました。 お店に出回る石にも移り変わりがあるように、話題になる石も流行すたりがあるようです。 スーパーセブンは、ご存じいろいろな鉱物がゴージャスに内包された石。 アメリカのクリスタル・ヒーラー、A・メロディ氏が名付けたことから、メロディ・ストーンと呼ばれたり、大変パワーがある石だということから「セイクリッド・セブン」とも呼ばれることがあります。 たいてい 「レピドクロサイト、アメジスト、カコクセナイト、ゲーサイト、クリアークオーツ、ルチルクオーツ、スモーキークオーツの7つの鉱物からなる石」 と説明されていますが、私はこれにちょっと異議あり。 まず、ルチルクォーツは、要するに「ルチル入りの水晶」ですし、鉱物というならアメシストもクリアクォーツもスモーキークォーツも「水晶」という1種類の鉱物なので、厳密には 「クリアクォーツ、アメシスト、スモーキークォーツの3色が混じった水晶に、ルチル、カコクセナイト、レピドクロサイト、ゲーサイトの4種の鉱物がインクルージョンされたもの」 だと思います。 重箱の隅をつついているようですが、絶対後者の方が覚えやすいです。 入っていてもいなくても。 前置きが長くなりましたが、我が家のスーパー・セブンです。 スーパーセブンはタンブルやスライスが多いようですが、ちゃんと結晶の形をしたものもあります。 こういう石のクラスターがあったら、迫力だろうなあ……! さて、タンブルやカットされたものでは、7つそろっていなくても、原石の段階で7つがすべてそろっていればスーパーセブンと見なされるのだそうですが、こういう単結晶の場合はどうでしょう? クラスター、あるいは晶洞全体で7つそろっていればいいのでしょうか。 それともこの結晶ひとつで7つをクリアしなければならないのでしょうか。 ところで、内包物であるゲーサイト、レピドクロサイト、カコクセナイト、ルチルは和名では ゲーサイト=針鉄鉱 レピドクロサイト=鱗鉄鉱 カコクセナイト=カコクセン石 ルチル=金紅石 となり、ゲーサイトはその名の通り針状の結晶(ルチルより太め?)、レピドクロサイトは鱗状の薄い破片状でたいてい茶〜赤く見えています。 ルチルはご存じ針状の結晶で、カコクセナイトはも細い針状ですが、たいてい短く、茶〜黄色っぽく見えていることが多いようです。 しかし、ゲーサイトもレピドクロサイトも鉄の鉱物であり、時には専門家でも見分けがつきにくいこともあると聞きます。また、鉱物の専門店でもゲーサイトとルチルを間違えて販売していたこともあるほど、似て見えることもあるのです。 何種類入ってる? さて、写真の石にはどれだけ内包されているでしょうか。 一番目立つのは中心から外側に向かって放射状に内包されているように見える黒っぽい細い結晶です。これはゲーサイトではないかと思っています。レピドクロサイトは赤い破片状の物でしょう。 これはかなりはっきりわかります。 そのほか、黄色っぽい細い針状のもの(カコクセナイト?)、黒くて丸くて薄いもの(ヘマタイト?)のようなものが認められます。 水晶については、ベースはクリア。全体的に紫っぽく見えるのですが、これはアメシストが混じっているというよりも、内包物による色かもしれません。スモーキーは混じっていないように見えます。 これだけ内包されていて、しかも内部がちゃんと見えるので、スーパー7でも6でもいいのですが、内包されているのが何なのか、推理するのは楽しいです。 2005年12月7日、ブログ掲載 |
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