ラベル希望! 中国産のフローライトです。 ミネラルショーで手に入れたもので、例によってラベルをもらえておりません。ラベル欲しいぞ、中国ブース! なので、くわしい産地はわかりませんが、流通の傾向と色合いから判断するに、おそらく、湖南省のヤオガンシャンではなかろうかと思います。 色は、淡い水色に紫が混ざった中国産フローライトらしい色。 手のひらサイズで大きさ的にもちょうどよく、母岩と結晶がなかなかバランスよくまとまっています。 中国産でこの色合いで、まとまりの良いものを持っていなかった……というのも、この石を選んだ理由の一つではありますが、別に大きな理由があります。 右上の画像をよーくご覧下さい。 なにやら糸のような、毛のようなものが内包されております。 色が黒く見えるので、かなり毛っぽいです。 フローライトでこういうインクルージョンは初めてです! フローライトとジェムソナイトの意外な関係 例によってなじみの石屋さんに持っていて見ていただいたところ、毛鉱(ジェムソナイト)ではないかと言われました。 ジェムソナイトはその名の通り毛状の結晶にもなる鉱物です。 中に入っているのを見る限り、まさしく毛っぽいので、なるほどなるほどと思っていたのですが、さらに調べていくと、もっと面白いことがわかってきました。 以前にグリーン・フローライトをご紹介したときに書きましたが、湖南省は、鉱物資源の種類が豊富で、世界で知られている160種類あまりの資源のうち、なんと140種余りを産出し、中でも、ダンステン、アンチモンの埋蔵量は中国トップクラスです。 また、フローライトは、タングステン、モリブデン、アンチモニー、錫等の重金属鉱床の脈石として産出するそうなのです。 それも石の表情 そして、毛鉱(ジェムソナイト)の化学式は「Pb4FeSb6S14」。Sbはアンチモン。 最初、毛状の内包物が毛鉱だと聞いたとき、形状からすればなるほど納得でしたが、フローライトになぜそんなものが内包されるのかが不思議でした。 しかし、フローライトと共に(またはフローライトが共に)産出する鉱物を考えれば、これもなるほどと納得できるようになりました。 もしもこの毛状のものが毛鉱(ジェムソナイト)だとすれば、このフローライトの産地は、鉱物資源が豊富な湖南省だろう……という推測も深まります。 化学式や、発色のメカニズムや、産地の話は、ややこしくて難しくなりがちですが、それも確かに石の側面だと思うのです。 2006年1月5日、ブログ掲載 |
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