よ、読めない…… フランス産のスモーキー・クォーツです。 フランスでスモーキーというと、アルプスはモンブランのスモーキーが有名ですが、これは、ブルターニュ産です。 ……たぶん。 歯切れが悪いのは、ラベルのせいです。 この石を手に入れたのは2003年の池袋ショー。おそらくフランス人であろうと思われるお店のおじさんは、さらさらとラベルを手書きして下さいました。 家でそれを開いた私は、思わず眉間にシワ。 「よ、読めない……」 筆記体と言うよりも、日本の行書。あるいはダンスするミミズ。 買ったのがスモーキーなので、ラベルの頭に書いてあるのが「Smoky Quartz」だろうと推測できるだけで、産地の方は全く解読不能。 ブリタニー……らしい。 せっかくラベルをもらったのに、産地がどこだか、さっぱりわかりません。 ところが、2005年の新宿ショーで、同じお店であろうと思われるブースで、私は足を止めました。 「この文字は、ラベルと同じ」 あの、のたくり文字と同じ単語と思われました。しかも、ちょっぴり読みやすい。 そこでやっと産地の最後が「France」らしいとわかったのです(笑)。 それと同じことを2005年の池袋ショーでも体験し、残る単語が「Blitany」らしいとわかりました。 ところが、Blitanyではヒットしません。しかたがないので「ブリタニー」で検索した結果、やっと「Brittany」ということになったわけです。 残念ながら、写真と似た水晶はヒットしませんでしたが、ブルターニュでスモーキー・クォーツが出ているらしいことはわかりました。 モリオン・ファントム? さて、ラベルで大きくつまづいたこの水晶、ご覧の通り、中にまっ黒なファントムが入っています。 表面がややつや消し気味なので、まっ黒なモリオンにも見えます。 ところが……この水晶をくるりとひっくり返すと(右下)、なんとスモーキーの中に黒いファントムが入っているだけでなく、一番外側の比較的透明感のある層、その内側の黒い層、さらにその内側のやや白っぽい層……と、まるで年輪ようにファントムが重なっていたのです。 この水晶は、幾度となく色を変えながら、大きくなってきたというわけです。 また、この「断面」に土が付着していたことから、この水晶が、大きな結晶の先端が割れたものではなく、ほとんど柱面を持たずに結晶していたこともわかってきました。 高さ2センチ、幅3センチほどの小さい水晶ですが、いろいろな成長の歴史を秘めているようです。 2006年2月7日、ブログ掲載 |
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