命の気配を持つ石 モロッコ産のコバルト・カルサイトです。 私は、カルサイトに対して、「生命」のイメージを持っています。 その理由はいくつかあります。 くわしくはこちらに書きましたが、カルサイトあるいは、カルサイトを成分とする石灰岩は、太古の地球の大気に満ちていた二酸化炭素が、カルシウムなどと結びついてできたもの。 二酸化炭素がカルサイトなどに固定されることで大気中の二酸化炭素が減り、地球に生命が誕生する環境が整った……と考えられていることが一つ。 もうひとつは、カルサイトの結晶の多様さです。 まるで、環境に合わせて自らを変え、その勢力範囲を広げてきた生命のように、カルサイトも実にさまざまな形をとります。その多様さは水晶を軽くしのぎ、カルサイトという同じ石であるとは思えないほど。 さらに、水晶よりもずっと軟らかくて、みずみずしい感じを受ける結晶が多いことも、理由の一つに数えられます。 たまには華やかな石も さて、コバルト・カルサイトは、多様なカルサイトの中でも華やかな色合いの石です。 この石を知った最初のころは、母岩に薄くへばりついたような標本しか見たことがなかったのですが、ミネラルショーで、はっきりと結晶の形をしたものを見つけ、「カルサイトは軟らかいし……」などとぶつくさ言っていた自分を忘れて買ってしまいました。 ホクホクと買い込んだ写真の石は、長いところで4センチほどと小ぶり。 結晶も、真ん中に近いあたりにダメージがあります。 しかし、もっときれいな石をさしおいて、私の好みにヒットしたポイントがあります。 なんと、ヘマタイトとも思われる赤いファントム入り♪ 右側の拡大画像だと、ちゃんと見える……かな? ローズクォーツのピンクよりは、若干紫がかったようなピンク色の中に、赤いファントムが封じ込められている様子は、花びらか、あるいは、イソギンチャクなどの海の生き物のよう。 軟らかくて、繊細で、あたたかみがあって、やはり生命のイメージがふさわしい石なのです。 ところで、ちょっと気になる話があります。 コバルトカルサイトとして売られている物の中には、カルサイトではなく、ドロマイト(苦灰石)であるものがあるというのです。 ドロマイトは、カルサイトに似た鉱物ですが、成分にマグネシウムを含みます。 もしかして、最初のころにみた、母岩に薄くへばりついていたタイプは、ドロマイトだったりして……。 2006年2月12日、ブログ掲載 |
写真および文章の無断転載・転用はご遠慮下さい。推測・個人的意見が混じっています。 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||