最後にやられた青 2005年の新宿ショーの最後の伏兵……アフリカはマラウィの青黒水晶です。 リーベック閃石(リーベッカイト)が針状に内包されているせいで、一見黒、しかし光に透かすとふか〜い青に見えるのです。 知り合いの石好きさんに見せていただいて以来、探していたのです。 池袋ショーで、メテオラだなんだと散財した後に見つけて、撃沈されました。 探していたけれど、あるとは思っていなかった……。 最初に見せていただいたものは、リーベック閃石がもっと細く、まるでベルベットのような質感でしたが、これははっきりと針状で、光によっては黒から灰色っぽく見えます。 慎重に光を選んで、やっと青く写すことができたので、お披露目です。 実はおなじみの青 この青い色の原因であるリーベック閃石は、実は石好きさんなら必ず眼にしたことがあるであろう石にも含まれています。この青黒い色合いに、見覚えがありませんか? それは……ホーク・アイなんです。ブルー・タイガー・アイと呼ばれていることもありますね。 タイガー・アイのグループは、クロシドライトという、繊維状の鉱物に石英が染みこんだものです。 繊維が一方方向にぎっしり入っているために、あの独特の光の動きが生まれます。 そして、クロシドライトとは、リーベック閃石が繊維状になったもののことなのです。 ホーク・アイには、クロシドライトがそのままの色で入っているために青く、タイガー・アイは、酸化しているために黄色〜茶色になっています。 (レッド・タイガーアイは、加熱してさらに酸化させてあるので赤いのだそうです) パキスタンの青水晶やアフガニスタンの青水晶も、クロシドライトによる青だと言われています。 ホーク・アイよりも、ずっと石英の割合が多いというわけです。 そして、写真の石はクロシドライトのように繊維状ではなく、針状なので、リーベック閃石ということになります。 ところで、今まで「アエリナイト」のインクルージョンによる青だと言われていたスペインのマラガの青水晶に、「マグネシウム・リーベック閃石」のインクルージョン説が出てきました。 ちょっと、色味が違うような気がするんですけど……。 2006年2月21日、ブログ掲載 |
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