ブラジル産 アメジスト・エレスチャル

人が選ぶ、石が選ぶ




道ばたの籠の中から

手もとに一つの石があります。
お店の外にあった籠の中に山盛りされていた中に混じっていたアメシストです。
アメシストといっても、肝心の紫色は表面がうっすら色づいているだけ。
板状で、片面すべてが破断面になっていて、一見すると剥がれるように割れた石英の欠片のように見えます。
山盛られていた石の中で、ひとつだけアメシストであることに目を留めて取りあげてみると、それはエレスチャルでした。

エレスチャルといっても、ここでは、整った結晶にはなっていないが、割れた石英の破片ではなくて、
結晶の一部であると言う程度の意味です。
つまり、一般的なグレードからいえば、かなり低い石でしたが、なんとなーく気になって連れ帰りました。たしか、グラム単価10円くらい。
私は、買った石に対して浄化など全く行いませんが、この石は、道ばたの籠の中出身で、ちょっとばかりホコリっぽかったので、さっそく水洗い。
がしがし洗っていると、ほんのりな色合いが案外かわいらしく、破片に見えた形状も、複雑な結晶面によるものであることがわかってきました。

この石はバケる。

さっそく撮影してみたら、勘は的中!光に透かしてみたのが今回の写真です。
ふつうに(見た目に近く)撮ればこんな感じ。




しかし、この石は光を反射させると、驚くほど表情を変えます。
なんだか、城壁を思わせる結晶面が、見るほどにイメージを刺激します。
先ほど、欠片ではなくて、とりあえず結晶しているという意味でエレスチャルだと書きましたが、こうしてみると、紛れもなくイメージを刺激する結晶であるエレスチャル。

私が、いつもしつこく用語やその定義をつつき回すのは、実は、こういう場合、つまり名付けられることなく転がっていた石を選び、自分の中に位置づける時のためであるのかもしれません。
誰かに名付けられた石を選ぶのではなく、自ら選ぶ時の手がかりとするために。


(2006年4月1日、ブログ掲載)
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