チェコ産 ハイアライト

玉滴石



凍れる滴

玉滴石………。
なんともぴったりな名前をつけたものです。
まさに、一滴一滴したたり落ちた水が、そのまま固まったような透明な石。

ギリシア語で「ガラス」を意味する《hualos》から名付けられたというハイアライトです。
実は、オパールの仲間なのですが、オパールと聞いて思い浮かべるゆらめく虹色(遊色)はなく、透明(乳白色を含む場合もある)で、滴がそのまま固まったようなもこもこした形をしています。
産地によっては微量のウランを含むため、紫外線で黄緑色に蛍光するそうです。
写真の石も蛍光するそうですが、未確認です。

さて、摂氏870度から573度で結晶した水晶は高温水晶となります。
(ただし、その後温度が下がると、形は高温型のまま、結晶の構造は低温型になるそうです)
573度以下で結晶すると、低温型水晶になります。
これは、通常見かける普通の水晶のことです。
さらに温度が下がると微細な結晶が固まったカルセドニやアゲート、ジャスパーなどになります。
ハイアライトは、熱水から最後に晶出したとされているので、アゲートよりもさらに低い温度で固まったのでしょうか。

結晶していない石

ご存じオパールとは、厳密には結晶していません。
水晶の成分である二酸化珪素が結晶するのではなく、小さい粒になって規則正しく並び、その間に水分がしみこんでいます。
この粒に光が当たり屈折し、回折という仕組みで、粒の大きさによって、特定の色の光が取り出され、
オパール特有の虹色が生まれるのです。

つまり、オパールというのは、二酸化珪素のつぶつぶが規則正しく並んだ構造を持つ石の事ですが、
遊色を持つためには、そのつぶつぶの大きさが、虹色の光を作り出すのにちょうど良い大きさの範囲でなければ遊色は生まれません。

ハイアライトの場合は、そのつぶつぶがとても小さいので、透明度は高いものの、遊色を持つことはないのだそうです。
メキシコ産のファイアー・オパールも同じ理由でほとんど遊色を持ちません。
彼の燃えるように赤い色は、不純物として酸化鉄が含まれているためだそうです。
今度は、ファイアー・オパールも欲しいなあ……。


(2005年12月1日、ブログ掲載)
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