出た! 結晶ローズ! 2006年新宿ショー戦利品第3弾! 例によってアフガニスタンーパキスタンの鉱物を扱うブースをハシゴしていた私は、「これ」を見たとたん、「え?」と一瞬戸惑ってしまいました。 アフガニスタンのローズ・クォーツ……(仲間内の)通称・アフガン・ローズ。 ローズ・クォーツは世界各地で産出しますが、通常、結晶のローズクォーツはブラジルの一部でしか産出しないとされています。 しかしながら、石好きさんの間では、アフガニスタンでわずかながら結晶ローズクォーツが産出することが知られていました。 アフガニスタンのローズ。クォーツは、まさに薔薇色ともいうべき濃い色のものがあり、色の美しさと引き替えに、結晶の形はあまりはっきりせず、時にカルセドニーのようなぐにゃぐにゃした形や、スモーキーの母岩にへばりつくような感じで産出するものしか見たことがありませんでした。 それでも結晶ローズとして、私の中のレアな水晶リストにラインナップされていたのですが……これは。 まごうことなき、結晶! しかも透明! ブラジル産でさえ、結晶ロースクォーツは白濁することが多く、透明感のある結晶は少ないというのに……。 あるところにはあるものだ……。 さっそく会場で顔を合わせた石好き仲間に報告。みんなでよってたかってゲットしましたとも。 くっつきあった平行連晶なので、一つ一つの結晶の形ははっきりしませんが、それぞれにちゃんとトップがあり、根本まで透明です。色もしっかりピンク色♪ 写真の石では、根本から先端までが二センチです。 かわいいピンク色の謎 クナル産と書かれていたので、綴りをお聞きしたところ、「Kunar」(綴りはいろいろあるかもしれないそうです)だとわかりました。 それを手がかりに地図上の位置を探してみると、パキスタンとの国境沿いの州らしいです。 |
この大きさ、この透明感で、ブラジルの結晶ローズよりひょっとしたら安いかもしれないお値段とは、まさに、ミネラルショーの醍醐味。 以前に紹介したアフガンローズと比べると、色も形も違うので、何カ所かで産出するのかもしれません。 ……と、アフガンローズ・ゲットで浮かれていたら、さらにとんでもない話を聞きました。 ブラジルでは、なんと、普通の水晶ほどもあるローズクォーツの単結晶や、透明な水晶にピンク色の色の帯が入った水晶が出たことがあるのだそうです。 み、見たい……。 また、ローズ・クォーツの色は、一番初期にはピンク色であることからマンガンが関係していると考えられていましたが、(マンガノカルサイトなどはピンク色ですし)その後、微細なチタン(ルチル)の結晶によるものだという説が有力になりました。 中には、マダガスカルのローズ・クォーツはチタン(ルチル)、ブラジルのローズ・クォーツはチタン(ルチル)と燐によるリン酸マンガンが関係するという説も出てきたそうで……。 目には楽しいローズ・クォーツのピンク色には、まだまだ謎が隠れているようです。 もしかしたら、アフガニスタンのローズ・クォーツも、他にはない特殊な原因によって生まれたものだったりするかもしれません。 (2006年6月15日、ブログ掲載) |
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