加工の当てはないけど 私には、とても珍しくルースなど。 買ってもアクセサリーに加工する当てなどないのに、何故買うかといえば、ルースしかない、というのが最大の理由。 インドネシア産とも、オーストラリア産ともいわれている「バイオレット・カルセドニー」です。 ブルー・カルセドニーならまだしもタンブルがあったりするのですが、このバイオレット・カルセドニーは、原石も、スライスも、タンブルも見かけません。 少なくとも、私は現物を見たことがありません。 たとえ、原石があったとしても、高そう……。(ブルー・カルセドニーの原石って、案外高くありませんか?)ならば、小さなルースでその色を楽しむとします。 さて、カルセドニーは、ご存じの通り、微細な石英の集まり(潜晶質)で、なめらかに見えても顕微鏡サイズの穴がたくさん空いていて、容易に染めることができます。 シーブルー・カルセドニー(カリビアン・シーブルー・カルセドニー)と呼ばれる、緑がかった青(ラリマーの青い部分のような色)のカルセドニーがありますが、なぜか、ルースやビーズなど加工されたものしかみかけないなあ……と思っていたら、やはり染色であったということがありました。 銅を含む染料で染められているのだとか、普通の染色とは違う方法で染められているので、退色しないのだとかいわれていますが、染めの瑪瑙が退色したとか色落ちしたという話も聞かないので、どう違うのでしょう……。 染めじゃなかった それはさておき、この紫色のカルセドニーも、ルースしかみかけないので、これもおそらく染めであろうと思っていました。 ところが。 ちょっと調べてみたら、なんと天然であるという資料が出てきました。 分析してみたところ、一般的な着色剤は検出されず、アメシストと同様、鉄(と微量のチタン・マンガン)による色ではないかと考えられるそうです。(くわしくはこちら) 鉄が混じっているためというよりも、鉄イオンが含まれることで黄色〜黄緑の光を吸収するようになり、その補色である紫色に見えているということらしいです。 カルセドニー版アメシストってことでしょうか……。 ほー、ナチュラル・カラーなのか! 興味を覚えてミネラルショー(今回のではなく)で見てみたところ、実物はなかなか上品な色。アメシストよりはピンクがかったミルキーな紫です。 透かせばカルセドニーらしいモコモコ模様(左)。 そして、見る角度によってはなぜかピンク色が浮かび上がります。 これはデジカメ・マジックではなくて、肉眼でも見えます。同じ光の元でそう見えるので、カラーチェンジではなさそうですが。 アメシストでは見られない色の変化が面白くて、小さな小さなルースを買ってしまったというわけです。透明感があって、母岩までくっついた原石かスライスがないかなあ…。 パープルではなくてバイオレットと呼びたい ところで、この石について調べているときに「バイオレット・カルセドニー」と「パープル・カルセドニー」の二つの名称がたくさんヒットしました。 どうでも良いことかもしれませんが、バイオレットは「すみれ色」パープルは「紫色(深紅色・赤ワイン色)」というような意味になります。 つまり、パープルだと、濃くて赤みの強い紫というわけなので、個人的にはバイオレット・カルセドニーに軍配を上げます。 (2006年6月21日、ブログ掲載) |
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