パキスタン産 ブルー・スピネル

青い星の欠片




クール・ブルー

パキスタン産のブルー・スピネルです。
産地はギルギットとのことでしたが、もしかしたら、ギルギットの北にあるフンザ渓谷かもしれません。
スピネルというと、ピラミッドを上下に重ねたような八面体の結晶が思い浮かびますが、これはちょっと横に引き延ばしたような形。
透明度はありませんが、結晶面には照りが残り、色味もしっかりしています。
長辺で12〜13ミリあるので、ブルー・スピネルにしては大きい方ではないでしょうか。

そんな結晶が石灰岩(たぶん)の白い母岩に埋もれているさまは、なかなかすてき。
白い母岩は写真泣かせですが、青と白という組み合わせは大好きです。
この産地では、他の色のスピネルやルビーも白い母岩で産出します。

青とピンク?

さて、スピネルは、宝石としても加工される石です。
コランダム(ルビーやサファイア)と同じ産地で産出することも多く、赤いスピネルは、ルビーと間違われていたこともあるそうです。
さまざまな色を持つスピネルの中でも、青は珍しい色合いだそうで、その発色は鉄によるものと、コバルトによるものがあるのだそうです。
コバルトと言えば、「コバルト・ブルー」という色の名前があるように、「青」というイメージがあって、ブルー・スピネルの発色原因がコバルトであっても不思議ではないと思っていたら、天然の鉱物でコバルトが青の発色原因になるのは珍しいのだそうです。

そういえば、コバルトカルサイトも、コバルトスミソナイトも青ではなくてピンクです。
一方、人工的な着色ではシベリアン・ブルーと呼ばれる青い人工水晶の色は、コバルトによるものだと言われています。天然ではピンク、人工では青とは、これまた不思議。
なので、コバルトによるブルー・スピネルは人工(合成)のものしかないと思われていましたが、近年になって天然のものがあることがわかったそうです。

写真の石は紛れもなく天然青ですが、発色原因は鉄かコバルトか。(※両方含むこともあるらしい)鉄による色は緑がかっていて、コバルトによる色は紫がかると言うことなんですが、この石はどちらにも偏らない青。
あとは、白熱光(コバルトだと紫っぽく見えるらしい)と、長波紫外線(赤く蛍光するらしい)での確認です。そのうち、石屋さん(別の)でみてもらおう……。


(2006年7月8日、ブログ掲載)
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