パキスタン産 アクアマリン

ムーンライト・アクアマリン




色の淡さが幸いし

パキ&アフガン石ブームにのってやってきた、パキスタン北部、ギルギットのアクアマリンです。
この地のアクアマリンは色が淡いので、原石出回り率が高いのがうれしいところです。
この石も例に漏れず、ものすごく色が淡くて、ほとんどゴシェナイトと言っても良いほど。
宝石鉱物としては、内部は白濁していて、インクルージョンもあるので、とてもとてもカット石にはならないでしょうが、原石派石好きにとってはたまらない石なのです。
なぜなら、石をくるりと反転させると……




裏面の表情

石の裏側は何故か階段状になっていて、繊維状に結晶しているのです。
その部分に光を反射させると、まるでサテンのような輝きが。
シラーというか、なんというか、「サテンスパー」と呼ばれるタイプのセレナイトの輝きに似ています。
前述したように、階段状になっているので、その状態で繊維状の結晶が輝くと、神秘的な月の宮殿のよう! うっとり……。

実は、ネパールでもアクアマリンが産出し、トップの部分に繊維状の結晶部分を持つものがあります。しかし、写真で見た限りでは、パキスタン産の方が繊維状構造が細く、輝きが繊細かもしれません。
ネパール産の繊維構造のものは、「シルバー・キャップ」と命名されていましたが、パキスタンのものは、「キャップ」どころではありません。
そこで勝手にネーミング。
ムーンライト・アクアマリン!
セレナイト(サテンスパー)にも似た輝きなので、ムーンライトという感じではないでしょうか。

ムーンライトはどうしてできる

さて、なぜこんな結晶になるかというと、この手の結晶の、繊維構造の部分に白い泥のような鉱物がこびりついていることが多いので、
●結晶が成長する際、軟らかい層にぶつかって繊維構造になった
あるいは、ネパール産で、もろい母岩に結晶し、それがきれいに剥がれたと思われる水晶が、セルフヒールドのような構造をしていることから考えて、
●もろい(軟らかい)母岩に結晶したため
ではないかと考えられます。

ご覧の通り透明度が低く、付着物が多いので、アクアマリンとしては破格のお値段。
それをゲットして、針や歯ブラシでクリーニングし、美しい繊維構造を「掘り出す」のが、ただいま現在、石仲間内でのブーム。
写真の石も一生懸命クリーニングしました。

お店の棚の中から「掘って」探す。
買った石をちまちま「掘って」クリーニングする。
ちょっとした採掘気分が味わえて、がんばれば美しい輝きに出会えちゃう。
しかもそれがアクアマリン。
夢中にならないわけがありません(笑)。


(2006年7月17日、ブログ掲載)
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