ナミビア産 ピーターサイト

嵐の石




タイガーアイ3色。

パワーストーンとしてもおなじみの石に「タイガー・アイ」があります。
その青黒バージョンがホーク・アイ。
これらの石は、クロシドライト(青石綿)に石英が染みこんだ「クロシドライト・クォーツ」であるとされています。
青石綿というだけあって、クロシドライトの元々の色合いは青(青黒)。つまり、ホーク・アイと呼ばれている石の色合いです。一緒に含まれていた鉄が酸化すると黄色〜茶色のタイガー・アイになり、さらに人工的に加熱すると赤くなり、「レッドタイガー・アイ」とか「ブルズ・アイ」と呼ばれています。

クロシドライト本来の色 自然で酸化して黄色〜茶色 人工的な加熱で赤 ↑これは染め。

逆に脱色してクリーム色やグレーになっているものもあり、グレー・タイガー・アイと呼ばれたりしています。さらに脱色したものを緑やピンクに染めたものもあるようです。(上写真一番右は染め)
本来、石英は結晶しているので染料では染まりませんが、タイガー・アイの場合は中に繊維状のクロシドライトがぎっしり入っているのでそこに染料が染みこんで染めることができるようです。

タイガー・アイとホーク・アイが混じったものを「混虎目石」、ホーク・アイからタイガー・アイに変化する途中(酸化する途中)の灰緑色のものを「ウルフ・アイ」と言うそうですが、この用法は聞いたことがありません。

タイガー・クォーツ

タイガー・アイのタイガー・アイたる所以はこのクロシドライト。
繊維状のクロシドライトが一定方向に並んでぎっしり内包されているために、底に光が反射して、キャッツ・アイ効果にも似た、太い光の筋が現れて、色合いとその光が「虎の目のようだ」というのでその名がつきました。
青石綿の並びとぎっしり具合がキモなので、石英の分量が多くなってきれいな光が現れなくなると価値も下がり、「タイガー・クォーツ」と呼ばれたりします。
パキスタンの青水晶も、実はクロシドライトの内包による青なので、たまたま青く見えているために青水晶になりましたが、これも「タイガー・クォーツ」の一種と言えます。

テンペスト

さて、タイガー・アイの主な産地は南アフリカ。
この南アフリカのお隣、ナミビアではちょっと変わったクロシドライト・クォーツが出ます。

ピーターサイトです。
ピーター・サイトは一口で言ってしまえば、タイガー・アイとホーク・アイが混じってかき混ぜられたような石。別名をテンペスト(嵐)・ストーンと言うそうです。
ピーターサイトの名前は、1962年にこの石を発見したSid Pietersにちなみます。
写真の石は東急ハンズ(笑)で買ったタンブルで、比較的石綿繊維が平行に並んでいますが、もっと大きな石では、まるでモザイクのようにあっち向きこっち向きに混ざり合ってある種の抽象画のような美しい模様を作り出しています。
これは、地球の地殻変動によってバラバラにされたり押しつぶされたりしたためだそうです。

中国産もある

さらに、1993年には中国でも発見され、1997年から流通するようになりました。
中国産ピーターサイトはナミビア産がクロシドライトを含むのに対し、マグネシウムリッチな角閃石を含み、色合いも金〜赤みを帯びた部分が多いもののナミビア産ピーターサイトによく似ています。
個人的には、ピーターサイトは青(青黒)が中心で、複雑な光を浮かべたものがいい……と思っているのですが、こんなのも買っちゃいました。(下写真)
長径4センチほどの薄いカボション(?)です。
確かに青もあるのですが、金色も混じり、さらには赤まで。(実物はもっと渋い色合いです)
確かナミビアだと言われていたのですけれど、どうでしょう?

また、「クロシドライト・クォーツ」と書きましたが、「クロシドライト・アゲート」と紹介しているところもありました。「クォーツ説」が多いのですが、この赤い部分を見ていると、「アゲート」説にも納得してしまいそうです。
(※追記:その後いろいろ調べてみましたが、アゲート説が正しいように思われます)

(2006年7月22日、ブログ掲載)
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