マダガスカル産 キャンドルクォーツ・クラスター

光を灯し……




お買い得・クラスター

マダガスカル産のキャンドルクォーツ・クラスターです。大きさは、底面の長径が12センチほど。
クラスターとしてはやや大きめ、手に載せると底面が掌をちょっとはみ出します。
キャンドルクラスターといえば、

こういうのがスタンダード・タイプですが、今回のクラスターも柱面が小さな結晶に覆われていて、先端は大きな錐面になっていて……と、詳細に見ていけば立派にキャンドル。
2004年の新宿ショーの最終日、棚の下の方でこの石を発見、軽くなった財布を握りしめ、値段を聞いたところ、キャンドルクォーツとしてもクラスターとしても破格のお得プライスに迷わず即ゲット。
その後同年の10月のIMAGE2004では、急に値上がりしていて、「あのとき買っておいて良かった!」と思ったものです。
さて、くわしく見ていくと、このクラスターの特徴は、キャンドルクォーツにしてはスリムなこと。柱面はやや茶色で不透明気味。
それに対して先端は透明で、よく見ると内部には白いファントムが入っています。
いつものように光に透かして写真に撮ると、透明な層に覆われた白いファントムが光を受けて輝いて、まさしく先端に光を灯した「キャンドル」。
「キャンドルクォーツ」としてはやや変わり種のように見えて、実はちゃんとキャンドル(ろうそく)に見える、キャンドルらしいキャンドルなのです。

成長メカニズムを推理する

これまでに何度も述べてきたように、エレスチャルやキャンドルクォーツと呼ばれる結晶は、結晶学の言葉で言うと「骸晶」と呼ばれるタイプにあたります。
「骸晶」は、水晶の材料である珪酸分が多いところ、つまり「結晶化駆動力」が大きい環境下で成長したため、あっちこっちでいっせいに結晶が始まり、結果的に複数の結晶が固まったような複雑な形になったと考えられています。

さらに、キャンドルクォーツに関しては、いっせいに結晶がすすんだことで水晶が成長する熱水中の珪酸分が骸晶となるほど濃くなくなり、途中から普通の成長をしたため、先端が大きな錐面になっているのではないかと想像しています。
今回のキャンドルクォーツの先端部分が透明になっていることも、この想像を裏付けています。

結晶があっちこっち奔放に伸びて、先端で光を反射する様子は、まるで白い花を付けた野草のよう。
よく見ると、鉄錆のようなものが付着していて、全体的にホランダイト入り水晶のくラスターに似ているので、もしかしたらよく似た産地なのかもしれません。
また、ものによっては結晶の隙間に木の根のようなものが食い込んでいることもあるので、比較的浅い場所で採掘されたか、もしくは露頭していたのかもしれません。
ちょっと水晶らしからぬ姿ですが、何とも個性的で、好きな石の一つです。

(2006年7月27日、ブログ掲載)
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