パキスタン産 ハーキマー「タイプ」水晶

区別したのは、人。





うり二つ

ころんとした形。照り、透明感。
こりゃ、どう見たってハーキマー・ダイヤモンドでしょう……。
いいえ、違います。パキスタン産です。
石屋の方も、「こちら(ハーキマー)と混ぜないでね、わからなくなるから」とおっしゃるほど、うり二つ。
もちろん、私も見分けられないので、この石とハーキマーを同時に出して写真に撮るのは厳禁です。
大きさは1センチに満たない、超ミニサイズ。
透明感と小ささのために、うまくピントが合わせられないので、黒い瑪瑙(天然の色♪)のスライスの上に置いて、鏡像も一緒に映してみました。

お名前の条件

さて、ハーキマー・ダイヤモンドはご存じ、アメリカはニューヨーク州のハーキマー地区(ハーキマー鉱山)で産出する、照りの良い水晶に付けられた名前です。
ダイヤモンドと名前が付いていても、水晶です。
ついでに、ハーキマー鉱山で産出したもののみをハーキマー・ダイヤモンドといいます。
いくら似ていて、キラキラきれいでも、写真の石はハーキマー・ダイヤモンドとは呼べません。
当たり前のことですけれど。

ところが、一部のショップでは中国産の小ぶりな両錐水晶をハーキマーとか、ハーキマー風と称して売っていたり、甚だしくは、けずって作ったものを「ハーキマー・タイプ」と言って売っていたりします。
似たような環境下では、似たような水晶が成長したとしても不思議ではありませんが、目立ってきれいであることから名前が付けられ、そのおかげでちょっと値段も高くなったものに対して、便乗して売ろうというのは、何とも情けない。
名前を付けたのが人であるならば、それをごまかすのも、便乗して利益を得ようとするのも人。
人の都合で、産出地をごまかされる石には、いい迷惑です。

やっぱりひとこと書きましょう

ちょっとビックリしたのは、昨今人気の「クリスタル・バイブル」のハーキマー・ダイヤモンドの項目に「水晶」という言葉がひとことも出ていないこと。
それどころか、本の冒頭近くでは「「ハーキマー・ダイヤモンドは、ダイヤモンドそのものと全く同じように魅力的な透明度と輝きがありますが、……」とあって、やはり水晶であるとはひとことも書かれていません。
ハーキマー・ダイヤモンドが水晶であるというのは、ちょっと知っている人には当たり前のことですが、全くの初心者であれば勘違いしてしまわないでしょうか。
それどころか、ハーキマー・ダイヤモンドの産地がアメリカの他に、メキシコ・スペイン・タンザニアとなっているのには呆れてしまいます。
そのうち、パキスタンや中国の名前も入っていたりして……。
ちゃんとした情報を仕入れておくことは、お店や本の信頼度を測る材料になります。
(※追記:2007年8月にクリスタルバイブルの続編のような本「クリスタル&癒しの石」が出ました。それを読んでみたら、どうやら著者のジュディ・ホール氏は、形がころんとしたDTの水晶のことを「ハーキマー」と呼んでいるようです。ハーキマーは産地の名前なんですが……)

ところで、本家ハーキマー・ダイヤモンドは茶色いいかにも「岩」という感じの母岩にくっついて産出します。
ではパキスタン産は……。まだ、母岩付を見たことがないのですが、パキスタンでは真っ白な母岩と共に産出する鉱物が多いので、真っ白母岩にキラキラ水晶という組み合わせが出ないかと楽しみです。

最後に。
アーカンソー産のハーキマー・ダイヤモンドそっくり水晶を「アーキマー・ダイヤモンド」と言うそうです。
駄洒落なネーミングはやめていただきたい。個人的に。

(2006年8月8日、ブログ掲載)

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