ブラジル産 メルティング・クォーツ

生まれ消えるもの




 鱗石

ブラジル産の「メルティング・クォーツ」です。
水晶というよりも、岩の隙間を埋め尽くした「石英」が溶かされたものだそうです。
つまり、「全面エッチング(腐蝕)水晶」というわけです。
塊状の石英なだけあって、結晶の形はうかがえません。
大雑把に言うと、ソロバン玉のように上下が尖った形をしていて、全面が鱗のような模様に覆われていますが、面によって鱗の方向が違います。
石英そのものは、やや色が浅めのスモーキー。ルチルも内包されています。

鱗状のテクスチャを持つのが、往々にしてへんてこ水晶であるために、「鱗水晶」に弱い私は、ほくほくとこの水晶を連れ帰ってきました。
そしてしばらくたった2006年10月のIMAGE2006の会場で私はひとつの水晶に目を留めました。
パキスタンのエッチング・クォーツです。
こちらは、結晶の形の水晶がとけたもので、かなり形を失ってはいましたが、柱面の感じがまだ残っていました。

溶けた水晶→「▽付」。
2006年新宿ショーのアイスクリスタル(▽付)に味を占めていた私は、「▽付があるかも〜♪」と、パキスタンのエッチング・クォーツをチェックしました。
パキスタン産のものは、錐面が残っているものが少なくて、明らかな「▽」は見つかりませんでしたが、ひとつだけ、錐面だったのか、割れた面がさらに腐蝕されたのか判断できない面に、見覚えのあるテクスチャを見つけました。

それは……そうです、写真のような鱗・テクスチャ。

 
塊の中にも元の形が

そのとき私は気が付きました。
明らかに錐面の形状が残っていなくても、ファントムを見ればわかるように、結晶の中には「元・錐面」だった所が埋もれているはず。
錐面が軽く溶かされると「▽」が出てくるのなら、「元・錐面」だって、何かしら模様が出てくるはずです。もちろん、塊状の石英も、もとは結晶した水晶がみっちり固まって形がわからなくなってしまったものですから、結晶が残っていた場合に錐面になる部分が埋もれているはずです。

だとしたら。

写真の石は「全面▽」!?
それはそれですごいかも……。


2006年10月16日、ブログ掲載
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