メキシコ産 ポーセライン・ジャスパー

SFちっく?




 ジャスパー?

何にするわけでもないけどルースです。
ポーセライン・ジャスパーです。
別名をエキゾチカ・ジャスパー(Exotica Jasper)、
あるいはサイ・ファイ・ジャスパー(Sci Fi Jasper)
サイ・ファイとはサイエンス・フィクション(Science Fiction)という意味だそうなので、(勝手に)意訳すると、「SFちっくな奇妙な模様のジャスパー」ってとこでしょうか。

ポーセライン(ポーセリン)ジャスパーとは、和名では陶碧玉となるようです。
ジャスパーの和名が碧玉ですから、陶器っぽい碧玉……という意味合いでしょうか。
「ロイヤル・プルームジャスパー」とか「インペリアル・ジャスパー」と呼ばれる不透明ながら模様が美しいジャスパーも、この仲間に入るようです。

さて、ジャスパーといえば、大きくくくれば水晶(石英)の仲間。
二酸化珪素(SiO2)が目に見える大きさで結晶すれば水晶(石英)となり、顕微鏡サイズの小さな結晶となって集まったものがカルセドニー(玉随)です。
一般的には、カルセドニーの中で縞模様があったり模様が美しいものをアゲート(瑪瑙)、不純物をたくさん含んで不透明になったものがジャスパー(碧玉)だと説明されています。
ここらへんの分類はかなりアバウトで、縞模様もないのにローズ・アゲートだったり、模様がきれいなものも、透明感があるものもまとめてオーシャン・ジャスパーだったり、これはカーネリアンか、サードオニキスか……と迷うものがあったり、本来は縞瑪瑙を意味するオニキスが、まっ黒なカルセドニーを指していたり、さまざまです。

透明感や模様、時には他の鉱物が入り込んでいたりとバラエティー豊かな石ですが、顕微鏡サイズの二酸化珪素の結晶が集まったつぶつぶ構造(潜晶質)の石であるという共通点があるはずなのです。

 
天然リサイクル石

何故ことさらに「はずなのです」などと言うかというと、このポーセライン・ジャスパーは、ジャスパーと名前が付いていても、少々毛色が違うようなのです。
初めて聞く名前なので、例によって検索してみたところ……「粘土が火山岩などによって変質してできたもの」であるという説明を見つけました。

確かに、ポーセライン・ジャスパーと呼ばれる仲間はジャスパーの中でもひときわ不透明で、「陶」の文字にふさわしくきめ細かな感じがします。
粘土が火山岩、つまり火山活動の熱などで変成をうけてできたものならば、このきめ細かな感じも、なるほどなるほどと頷けます。
粘土が熱によって「焼かれた」わけですから、まさに「陶器」。

ぴったりな名前を付けるものだと感心し……てばかりはいられません。
ちょっとまってください。
火山活動や地殻変動などの熱や圧力で変成作用を受けた……というくだりは、どこかで見ました。
クォーツァイト(珪岩)です。
クォーツァイトは、石英質の砂が集まったところが変成作用を受けて固まってできた岩でした。
ポーセライン・ジャスパーは、それより細かく、不純物も多い粘土が変成作用を受けて固まってできたというわけです。

ところで……カルセドニーや、ジャスパーは、顕微鏡サイズの二酸化珪素があつまってできたもの。
しつこいようですが、小さな小さな結晶の集まりです。
対して、粘土や砂が熱や圧力で固まった……ということは、一度できた何らかの結晶が砕けて風化して砂や、さらに細かい粘土になって、それが再び固まったということ。
つまり、カルセドニーが「できたそのまま」ならば、クォーツァイトやポーセラインジャスパーは、一度できたものを砕いて再び固めた「リサイクル品」……ということにならないでしょうか。

それを、同じ「ジャスパー」といってしまっていいのかなあ……?

まあ、ベリルとは全く別の鉱物である石にクリソベリルと名前が付いていたり、「ばら輝石」と名前を付けたら、実は輝石じゃなかった、ということもあるわけですが、いろいろな通称や商品名をほいほい鵜呑みにしていると、似ているだけで実は別の石……ということもあるので、うかうかしていられません。

他にも、レオパード・ジャスパーと呼ばれる石も、石英ハン石と呼ばれる岩石だそうです。。

2006年10月18日、ブログ掲載
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