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KURO'S 知恵ノートアーカイブ-37
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パワーストーン 「レア」について考える


パワーストーン(原石含む)で、「レアだよ!」といわれることがあります。

レア……希少であると言われると、「期間限定」「数量限定」と同じで、なんだか今買わないと手に入らないような気になって、ついつい欲しくなっちゃいますよね。
私も何度「レア」に踊らされたことか……。

で、過去何度も「レアだよ!」に乗せられた立場から、「ちょっと待て、飛びつく前に右左」という点をまとめてみます。


●レアってどこからレア?

パワーストーンとして、水晶をはじめ、いろいろな種類の石が出回ってます。
たとえば水晶でも、透明水晶、ローズクォーツ、アメジスト……といろいろあるわけですが、そういうものを全部ひっくるめた場合、真っ黒なモリオン(黒水晶)は、全体に占める量は少ない部類に入ります。

そういう意味で「レア」と表現する場合があります。

一方で、モリオンというのは、出るところではまとまった量が出やすいし、探せばどこかの店で扱ってます。
探せばあるじゃん。これではレアとまでは言えない。
……そういう意見もあります。

はっきり言ってどれくらい少なかったら「レア」というのかという公式基準はありません。
水晶全体がどれくらいの産出量があり、その中でモリオンがどれくらいの割合を占めるのか……誰も分析してません。

なかには「普通に見かけるよね?」とおもわれるものでも「レア」で売っていたりします。


●そのほかのいろいろ「レア」

レア……希少だというけれど、レアにもいろいろありまして。

単に流通している量が少ないよ(少なそうだ)、というレアもありますが、そのほかにもいろんな意味で「レア」と言われます。

◇形がレア
 一般的な水晶でも、こんな形はめったに見ないよ!……という意味でのレア

◇産地がレア
 種類としては一般的だけど、産地がレア。
 たとえば普通の水晶だけど、国産だよ!……とか。
 ヒマラヤ水晶がレアといわれますが、ざっくりヒマラヤ水晶と言ったら、
 パキスタン、インド北部、ネパール……と広い範囲が産地になります。
 店によっては台いっぱいにコロコロ並べていたりするので、
 人によってレアの判断も変わりそうです

◇質がレア
 この質のものはめったに入荷しないよ! も「レア」と言われます。
 ただし、質の基準はあるようでないので、「レア」という説明だけでなく、
 冷静に判断する必要あり、

◇色がレア
 たとえば、シトリン(黄水晶)だけど、むしろ赤と言いたい色あい……とか。
 ただし、加工されたものがあったりするので注意。

◇加工がレア
 石としてはある程度の量が出回っているけどビーズに加工されるのがレア という場合もあります。
 このとき、加工されないのはビーズに不向きだから……という場合があります。
 汗に弱かったり、樹脂含浸などの加工をしないとビーズにならないものもあります。



全てにおいて、どのレベルで「レア」かを気にする必要があります。
たとえば「レアだよ」と言っている
店レベルで、その店が初めて(久しぶりに)仕入れた……つまりお店の人にとって「レア」もあります。

マニアと言われるような、いろんな場所でいろんな石を見る機会が多い人にとっては「けっこう見かけるよね」という石でも、まだ石歴の浅い人にとっては「珍しい!」と感じるように、
その人の石事情によってレアと感じられたりそうでなかったりします。

ネット上などいろいろな店を含めて本当に見かけないのか、実はちょくちょく見かける、探せば見つかる程度なのか、買う側も調べてみる必要はあります。



●「かつてはレア」にご注意

初めて見つかった、出回り始めた……ゆえに流通量が少なくて「レア」もあります。

パワーストーンでは「○キロしか見つからなかった、レア!」もよく聞きます。

……が、石はなにぶん天然のものなので、あとから同じ種類の石が掘り出されるされる場合が多いのです。(中には本当に少しの場合もありますが)
「○キロしか見つからなかった」……と言われた石が、気が付くといろんなところで売られていて、どう見たって最初の○キロ以上だよなあ……という例を何度も見ました。
たくさん見つかって流通量が増えれば「レア」とは言えないんじゃないかと思うんですが、そうなっても最初の「これだけしか採れなかった」「レア」という説明だけが生き残っていたりします。

「アゼツライト」などはその代表例。
アゼツライトはかつて「25キロしか採れなかった。鉱山は崩れてしまい、以後見つかっていない」とか言われていましたが、その直後ですら大きなクラスターまで出回っていて、合計したら、どう見ても25キロ超えてるよなあ……という状態に。
すぐに「25キロしか採れなかった」説明は見かけなくなり、さらに「別の産地で見つかった」「新たなアゼツライトが出た」……といろんなアゼツライトが続々登場し、すっかり販売会社の「アゼツライトシリーズ」状態になってます。
それても「レアでパワーの強い石」というイメージは生きてます。

中にはラルビカイトのように建材としては以前から知られていて、(建築材料なので大きい塊がたくさん採れる)今までビーズにはなっていなかった……それがビーズに加工されて出回り始めた当初には「レア」と言われていたのもあります。
こういうのは最初だけレアですねー。




「鉱山が閉まった」「もう採れない」にもご注意。
「掘りつくしてしまったから、もう採れないよ。買うなら今のうち」と言われる場合もあります。
……が、そう言われた石で、「そういえば本当に見かけなくなったよね」という石は、実はあまり覚えがありません。
確かにその鉱山(場所)はおしまいかもしれないけど、近くの別の鉱山から同じ種類の石が採れている……という場合もあるんです。
「もう採れないよ」は、
その店の仕入れルートレベルの話である可能性があります。


●本当の「レア?」

 個人的な話になりますが、いろいろ石を見てきて思うのは、「本当のレア」……流通量も取れた量も本当に少ない石というのは、ほとんどの人に知られずにちょろっと出回り、消えていくということです。

先ほど「もう採れない」にご注意と書きましたが、「採れないよ、買うなら今のうち」という売込みの石は逆に息が長く、本当にもう採れない石は「採れない」という情報すら出回らずに、気が付いたら見かけなくなっていたというケースが多いです。

そういう石があったことすら知られない……そういうのが本当の「レア」かも?


●個人的「レア」基準

ものすごく個人的に
ビーズになる石は、種類が珍しく流通量も少ないという意味での「レア」とは言い難いような気がします。
ビーズに削るには無駄が出ます。
本当に少ない石はそんな無駄を出したら損です。
原石かかけらのまま、あるいは加工して付加価値がつくルースにして売るでしょう。

ビーズにするのは、ある程度の量がある、あるいは質としてやや劣る部分という可能性が高いです。(きれいなものが少なくてレア、という場合もあり)

パワーストーンとしての名前や意味がついているというのも判断基準かもしれません
名前や意味の説明が付けられるというのは、同じ……あるいは同じような石がある程度まとまって流通していないと無理です。
新しく出回り始めた石も、ある程度広まってから意味の説明がつくことが多いです。
特定の会社が最初から「○○ストーン!」と名前を付けてい売り出すにも、量が揃ってないと売り込むことができません。

逆に言うと、名前や説明がついているという時点である程度の量が流通しているということになります。


●自分基準を持とう

ということで、私は「レア」という説明だけでは選ばないようにしています。
(乗せられやすいので、自戒を込めて)
普段から石の情報に目を配り、友人知人の知識も借りて、「確かに珍しい」と判断できるかどうか……「レア」に対処するには、買う側にも準備が必要だということです。

もちろん、どういうものをレアと考えるか、「自分基準」も必要です。

たとえば、私だったら「ヒマラヤ水晶」だけでは産地は広域だし、かなりの量を見かけるし、レアとは言えない……と考えますが、ヒマラヤ水晶でも「アンナプルナ」とか「マカルー」と産地を限ると「珍しいかも」ということになりますし、水晶とは思えない変な形だったら大量に出回っているブラジル水晶であっても「これはレア!」になります。
逆に、こんな形は二つとないというレアなものでも、原石に興味のない人、形が整ってきれいなものが好きな人には価値がありません。

自分はどういう点に価値を見出すのか。
「レア」という説明ではなくて自分の判断基準を持っていたいものです。


●結局、賭けかもしれないが

自分なりに石の情報を集め、自分基準を持ち……それでも「レア」の判断はある意味賭けです。
「新しく出たよ」と言われた石が、今後も継続して出るのか、出るには出るけど質がいいのか悪いのか……それは誰にもわかりません

「新しく出た石だよ」……でも高い! とあきらめたら、以後、見かけなかったとか、出るには出たけど最初に見かけたものほどすごいのはない……とか。その逆もありました。

「買い逃した……残念」と思っていた石が、数年後思い出したように出回り始めたこともあるし、かつては出回っていたけど私が石に興味を持ったころにはすでに出回ってなかったという石が、新たな鉱脈が見つかって出回ったという復活バージョンもあります。

自分はこの石が欲しいのか……レアという点だけでなく、もしかしたら今後たくさん出て、高く買ったことに気付くかもしれない、もっといいものに出会うかもしれない……逆にこれが一期一会の機会かもしれない。己の情報と物欲を秤にかけて判断するしかないのです。

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