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KURO'S 知恵ノートアーカイブ-4
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パワーストーンの本物、偽物について考える。

「パワーストーンに、本物、偽物はありますか?」
「これは本物ですか? 偽物ですか?」
……という質問がよくあります。

せっかく買ったのに、偽物だったらがっかり……! 気持はわかるんですが、ちょっと待ってください

実は、パワーストーンは本物・偽物とはっきり分けられない、何を偽物というかの基準が人によって違う場合が多いのです。

ひとくちに「偽物」といっても実際はいろいろです。
「偽物? じゃあ自分の石は?」と心配する前に、
いったいどういうことなのか情報整理してみませんか?

実は人工物だった

これは……「偽物」と言われても仕方ないかもしれません。
人工的に作ったものは「天然」ではないわけですから。
しかし、チェリー・クォーツやゴールド・サンド・ストーン、ブルー・ゴールドサンド・ストーンは人工的に作られたガラスですが、パワーストーンとしての意味が付けられていたりします。

「人工石」という場合、こんなものがあります。

◇合成石
 成分や構造(結晶系)は天然と同じだが、人工的に作られたもの。
 例:合成水晶、合成ルビーなど

◇模造石
 別の素材で見かけだけ似せて作ったもの。
 実はガラスだった……というのはこれです。
 例:練り水晶(天然水晶を溶かして固めたガラス)
    練りターコイズ(ターコイズの粉末で作ったものではなく、カルサイトなどほかの石で作ったものがある。
    チェリー・クォーツ、オパールオブシディアンなど
 ※ゴールド・サンド・ストーンは模造石とは言えないかも……。
   このキラキラしたガラスは、溶けたガラスの中に銅を落としたという偶然から生まれ、 「偶然に」を意味するイタリア語から
  「アベンチュリン・ガラス」と名付けられました。
  天然石の「アベンチュリン」は、このガラスに似ていることに由来するようです。
  名前としてはガラスの方が先なので、「何かをまねした(模造)」わけではないのです。 


◇人造石
 人工的に作られたもので、天然には存在しない成分、構造(結晶系)をしているもの。
 
例:YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)
   磁気入りヘマタイト(実はバリウムフェライトという人造石)

 石を染めたもの、違う石で名前をごまかしていたものは「人工石」とは言いません。



よく、「安いから/きれいじゃないから……人工石?」と心配する人がいますが、人工石にもいろいろあるし、中には人工石と加工をごちゃ混ぜにしている場合もあります。

まずは情報整理で、
人工的に作ったものなのか加工の話なのかをはっきりさせましょう。

さらに、
わざわざ手間をかけて人工的に作るからにはきれいなものを作って高く売った方が得す。
天然石は、きれいじゃない質の低いものは安いのですから、人工的に作ったら作る手間の分損です。

きれいじゃないから人工石では?……はちょっと違うと思います。


●加工されていた

「加工されていたら偽物」という意見がある一方、有名なヒーラーが加工されている石に対して「パワーがある」と説明していたりします。
偽物と言ったりそうは思わなかったり、人によって判断が分かれます。

加工もいろいろです。

◇染め
 染料を染み込ませて人工的に色を変えたり、きれいな色に見せているもの
 ビーズの真っ黒オニキスはほとんど染めだそうです。
 カルセドニーや瑪瑙は細かい隙間がたくさんあるのでとても染めやすい石です。
 しかし、水晶には隙間がないので、染料で染めて透明なまま色をつけることはできません。
 染めるとしたらひびを入れて染料をしみこませることになります。
 つまり、染めて加工しやすい石としにくい石があるということ。
 ※染み込ませるのではなく表面に塗ってあるものもあったりしますが、ビーズではすぐに取れてしまうので、かなり少ないです。
  
◇加熱
 加熱して色を変えられる石があります。
 良く知られているのが、アメジストを加熱して黄色くした「シトリン」。
 アクアマリンやタンザナイト、ルビーも加熱して色をきれいにしていることが多いです。
 加熱して色が変わる石と変わらない(加熱加工しない石)があります。

◇放射線照射
 黒水晶の中には放射線照射で透明な水晶を真っ黒にしたものがあります。
 真っ青なブルー・トパーズも放射線照射で加工されています。
 もちろん、放射線照射で色が変わる石と、変わらない石があります。

 ※天然のスモーキークォーツは、地面の中で天然の放射線を浴びて発色しています。
  染色のように人工的に何かを添加して色を変えたのではなく、
  自然でもおこりうる変化を人工的に行っているので、加工されているかどうか
  見分けが困難な場合も多いです。
 

◇放射線照射+加熱
 放射線照射と加熱のダブル加工で色を変えている石もあります。
 オーロベルディ(オウロベルデ)と呼ばれているグリーンゴールドの石英や、ビーズになっている「グリーン・アメジスト」など。

◇樹脂含浸・充填、鉛ガラス含浸
 細かな隙間がたくさんあって、そのままでは脆くて汚れなども染み込みやすいため加工しにくい石は、樹脂を染み込ませて強化されていることがあります。
 これを「スタビライズド」といったりします。
 ターコイズなどはこの処理が行われているものが多いようです。
 ※透明な樹脂を染み込ませるならばいいのですが、   色つき樹脂を染み込ませると色の改変になります。
 ※加工というとマイナスイメージを伴いますが、樹脂含浸してないと脆くて ビーズなどに加工できない、
  実用に適さないという側面もあります。


 ルビーなどでは、鉛ガラスを染み込ませて傷を目立たなくし、透明度をアップさせているものがあります。あまりたくさん染み込ませると、石の強度も変わってきます。
 
◇オイル・ワックス
 表面にワックスを塗ったり、ひびにオイルを染み込ませたりして石の見栄えを良くしているものもあります。
 ひびにオイルを染み込ませると、ひびが目立たなくなって透明度が増して見えるそうです。

◇練り
 練り(溶練)水晶のように砕いて溶かして固めたものや、ラピスラズリ、ターコイズなどのようにきれいな部分を粉にして樹脂で練って固めたものがあります。(中には別の石の粉を練ったと思われるものも)
 練りについてはこちらもどうぞ
※アメジストやスモーキーは溶かすと透明です。
  練りアメジストを作ろうと思ったら、人工的に色を混ぜないとだめです。そうなったら、練りアメジストというより色ガラスです。
※粉にして固める場合は、透明な石はできません。たぶん色が消えるし、残ったとしても透明にはなならないでしょう。
  粉の練りは不透明な石に多いですが、不透明石の多くは安く、手間をかけて作る意味がありません。細かい模様も再現できません。


◇金属蒸着
 
や銀、チタンなどの鉱物を熱して、水晶やほかの石の表面を薄くコーティングしたもの。いわゆる「アクアオーラ」。
 加工だけれども、これを「偽物!」と言っている例は聞かないように思います。



このように、
加工につい
てはその方法で加工できる石・できない石、
加工でできること・できないことがあります。

例えばカルセドニーやアゲートは染めやすいけれど、水晶は透明なまま染める(染料を染み込ませる)ことはできません。
だから水晶に対してすぐに染めを疑うのは違います。
透明水晶に放射線を当ててスモーキーや黒にすることはできるけれど、透明青にしたりはできません。
透明青だったら合成かガラスです。
石の性質を知って、「これはありえるかも?」という加工を疑いましょう。


●天然石で、加工されていないけれど。

◇実は違う石だった

似ているので思わず間違えた。調べてみたら成分のちょっとの差で別の石に分類されていた……そんな石もあります。

たとえば、ジャスパー。
○○ジャスパーと名前がついているのに、実はジャスパーではない石はたくさんあります。

ラブラドライトとアンデシンは、成分の割合がちょっと違うことで分けられている石。見た目ラブラドライト(ホワイトラブラドライト)なので、てっきりそうだと思っていたのに、分析してみたらアンデシンだった……そういうものもあるようです。 

◇産地が違う
たとえば、ヒマラヤ水晶と言えばヒマラヤ山脈で採れたもの。
なのに、ヒマラヤ外で採れたものまでヒマラヤ水晶として売られているケースがあります。
(どこまでをヒマラヤ山脈というか、いろんな意見があるので、さらにややこしい)

レムリアンシードやスーパーセブンのように、名付け親のヒーラーが「採れるのはここ」と産地を規定しているのに、それが無視され(忘れられ?)、全然違う場所の石が、見た目が似ているというだけでレムリアンシードやスーパーセブンとして売られていることも多いです。

◇お名前拝借(フォールス・ネーム)
全く別の石なのに、見た目がちょっと似ていることから、高価な石の名前を拝借して名乗っている例。(中にはあんまり似てないものも)
たとえば翡翠に似ているから、インド産のグリーン・クォーツァイトが「インド翡翠」。
こういう「お名前拝借」でつけられた名前をフォールス・ネームといいます。
「翡翠」とついているから翡翠でしょ? 高い宝石なんでしょ?と思い込むと違います。

◇解釈に個人差
「ルチルクォーツ」といえば、ルチル(金紅石)という鉱物が内包されている水晶のこと。
ところが、売られているルチルクォーツの中には、中身がルチルではないものもたくさんあります。
たとえば、ブラックルチルと呼ばれているものはほとんどトルマリンですし、青もトルマリン、はっきり緑に見える「グリーン・ルチル」はアクチノライトなどです。

私はルチルではないとわかっている場合は「ルチルクォーツ」の名前で売るのはおかしいという考えです。
ルチルは鉱物名なんだから、中身がルチルでこそ、ルチルクォーツでしょう。

しかし、「ルチルクォーツ」は流通名だから、トルマリン入りでもルチルクォーツで構わない」と言う人もいます。
さらには「ルチルと言うのは(水晶の)針状の内包物の総称だ」と言い切る人もいます。
(ルチルに針状の内包物の総称と言う意味はないはずですが)

こんな具合なので、「ルチルクォーツ」の名前で売られていても売っている人考えによってルチル入りのルチルクォーツなのか、ルチル以外入りでもルチルクォーツなのかが違ってきます。

◇原石とビーズで違っていたり
「エレスチャル」と呼ばれる水晶があります。
この石、原石とビーズでは、どういう水晶を「エレスチャル」と呼ぶかという基準が違ってしまっています。

そもそもエレスチャルというのは、「骸晶」というタイプの結晶のしかたをした、ごつごつ水晶のこと。色や内包物ではなくて、形に対して付けられた名前です。
ところが、それをビーズにしてしまうと形はわからなくなります。偶然、エレスチャルというごつごつ水晶はスモーキーだったり内包物をたくさん含むことが多く、結果としてビーズでは「エレスチャルというのは色が混じって内包物たっぷりの水晶のこと」と勘違いされてそれが広まり、スーパーセブンなどと混同されて「エレスチャル・スーパーセブン」などという長い名前まで付けられました。

エレスチャルとスーパーセブンは名付け親が違います。一つの名前にしてしまうのはおかしいはずなんですが……。

エレスチャルは「色交じり内包物たっぷり」と誤解したままだと、原石で骸晶の形をしていない……原石ではエレスチャルではないものなのにビーズでエレスチャルと呼ばれて売られている場合もあるでしょう。


●じゃあ、意味や効果はどうなる?

 ……と気になることでしょう。
残念ながらそんなのはわかりません。

本ですら、ルチル入りとトルマリン入りを分けているもの、「ルチルは針状内包物の総称だ!」というもの、いろいろです。
そもそも石の意味や効果は一つの石に対して一つときまっているものでもなく、その石を持てば誰にでも同じような効果が表れるものでもありません。

だから、ルチルクォーツとして買ったけど実はトルマリン入りだった。その場合効果も変わってくる……というような判断はできません。


●簡単な見合分け方は?

フェイクや加工など、自分の望んでいた石と違ったら困るから見分けたい。その気持ちはわかります。「簡単な見分け方はありますか?」という質問がありますが……ちょっと待ってください。

素人目にはわからない程度には似ているから、「これは?」と悩む事態が起きているわけです。誰でもどんな石でも簡単に見分けられたら、そもそも誰も「これは?」と悩んだりしないはずですし、すぐにばれるんだったら、フェイクやごまかしはなくなっていると思いませんか?

つまり、「説明を聞いただけで簡単にわかる見分け方」はちょっと無理
でも、専門家でなくては見分けられないものばかりでもありません。


見分けポイントは、石によって違います。
慣れれば結構簡単な場合が多いんですが、まずは慣れなくては見分けられません。



●「ええっ!? 偽物?」……慌てる前に情報整理

ここまで、石のいろんな加工や原石でもごまかし・解釈の違い・お名前拝借がある……と列記してきましたが、たとえば染めてあっても偽物だ!と言う人もいるし、中に入ってるのがルチルでなくてもルチルクォーツだ、と考える人までいろいろです。
どこまでを偽物と判断するかの基準は人によって違います。

つまり「偽物があるんだって」という話も、それだけではどこまでの基準で言っているかわかりません。

「偽物があるんだって」という話を聞いたら、まずは「どんなものか」をはっきりさせましょう。
ガラスで作ったフェイクなのか? 染めたりしているのか? それとも石そのものには手が加わってないけど、産地や名前に何かおかしなところがあるのか?

ええっ!? と不安になる前に、それを確かめましょう。
誰かから聞かされたなら、確認をお忘れなく! ついでにその人や店がどういうものなら偽物と考えているかもはっきりさせておくといいですね。

いったいどういうものなのかがはっきりしないことには、それを偽物と考えるかどうか、どういう点で見分けられるのかも見えてきません。


●その「偽物」が果たして存在するかどうか

ブログなどの検索ワードでよく見かけるのが「タイガーアイ 偽物」。
ネットでもタイガーアイやローズクォーツに偽物が多い、人工のルチルクォーツがあると書いているところを見かけます。
……が、その「偽物」は本当に存在するのでしょうか。

タイガーアイやローズクォーツはたくさん採れる石なので、わざわざ偽物(フェイク)を作る必要もないでしょう。
ローズクォーツには合成がありますが、それはルースなどに用いられるきれいなもの。
「きれいじゃないけど偽物でしょうか」は違うと思われます。

ルチルクォーツも、ルチル、水晶、単独なら合成可能ですが、ルチルを針状にして、水晶やガラスの中に入れるのは無理でしょう。

「偽物(フェイク)」というのは、「本物」が高く売れるものであるのに対し、それよりも安く作る、あるいは良く似た(素人目では間違えるくらいには似ている)もっと安い石を名前を偽って売ることで、差額を稼ぐものです。
「本物」よりも高い石、作るにしてもコストがかかって高くなってしまうものでは「偽物」にできません。

ショップの説明も、時に「へ?」と言いたくなるほどおかしなことがあります。


●そして最終判断は自分

……と、このように、石の情報や、考え方は人それぞれです。
「これは?」と質問して、異なる回答が返ってくることも良くあります。
石には種類や物理的性質を別にすれば、「これが正解」「残りは間違い」というものはほとんどありません。
ですから、調べて異なる説明が見つかるのも、異なる回答が返ってくるのもあたりまえ。

わからない! 誰か教えて……という気持ちもわかりますが、パワーストーンとして自分の望みを託す石なら、最終的には自分で決めてはいかがでしょう。



●自分基準を持とう

いろんな意見、回答、説明の中からどうやって決めるか。

個人的には、すべての石について、いきなり詳しくなるのは難しいので、興味のある石、買おうと思っている石について調べて、自分基準を持つことをお勧めします。

たとえば、ヒマラヤ水晶であれば、採れた範囲が問題になる石なのですから、「ここからここまでの範囲だったら、ヒマラヤ水晶と言われて納得できる」という「自分基準」を持つ。
この基準があれば、店で「ヒマラヤ水晶と書いてあるけれど、詳しい産地はどこか」と聞けば、それがヒマラヤ水晶と言えるか、言えないか判断できます。



●店に上手に質問しよう

たとえば、この透明なビーズはもしかしてガラスだったりしないか?……という場合、自分で見分けられない場合は、お店の人に聞いてみましょう。この場合は、単に「天然水晶ですか?」と聞くのではなくて、

「水晶には溶かして固めたものや合成したものがあると聞きました。自分はそういうものではない、加工されていない天然の水晶が欲しいんですが、これはどうですか?」

という「自分はこういうものがほしい」とはっきりさせた質問をすることで、万が一、店が「天然水晶を原料にしているから天然水晶と同じ」と考えていても、そこで解釈のずれを防ぐことができます。

お店も、はっきり聞かれたことに嘘を答えることには抵抗があるでしょうから、わからなければわからないと言うか、あるいははっきり否定せずにぼやかした答えをしてきます。(たとえば「溶かしたものでも元は天然水晶なので、意味やパワーは天然と同じと言われてますよ……」とか)

「本物」「偽物」となると、どうしても石の鉱物的側面が関係してきて、「難しい」「わからない」と思うかもしれませんが、パワーストーンも石で、鉱物なのです。
鉱物的側面もパワーストーンというものの一部。


最初から「わからない」と思わずに、ちょっと見てみませんか?


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