天珠を知っていますか 1 ・ 2 ・ 3 |
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ベースとなる石の色の違い 天珠A,B,C,Dは大きく、ベースとなる石が白い(A,B)もの、ベースとなる石が色石であるもの(C,D)に分けられます。 A・Bは、白い石がベースになっています。A-3の写真で穴の中が白っぽく半透明で光を透していることからベースが白(半透明)だとわかってもらえるでしょうか。 違いその1……二色使いと一色使い。 ツヤの強弱程度で、あとは同じじゃないかと思われるかもしれませんが、実は他にも違いがあります。 A-1とB-1をよーく見比べて見てください。 A-2はA天珠を光で透かしたもので、こちらの方がわかるかもしれません。 A天珠の方は白い線と黒い部分の間に半透明の部分があるのに対し、B天珠には半透明な部分がありません。 これは、A天珠がベースの石に「白」と「黒」の2種類の染料で模様を描いているのに対して、B天珠は白い石に「黒」一色で模様を現しているということではないでしょうか。 違いその2……ラインのシャープさ もうひとつの違いは、模様の線のアウトラインが、A天珠よりB天珠の方がはっきりしていることです。 この違いは、線の描き方に関係があるようです。 それで何がわかるかというと なーにを重箱の隅をつつくようなことをやってるか、と言われそうですが、この違いから、A、B天珠の作り方の違いが見えてきます。 ここでもう一度ネットで紹介されていた天珠の作り方を思い出して下さい。 「最初にベースの石を染料で白くして、黒で模様を描く」でした。 (染料で、と言いましたが、天珠の模様は焼き付けられているらしく、染みこんでいて薄れることはないそうです) この方法では、A天珠のようにはなりません。 A天珠は、線の部分、黒い部分それぞれを塗り分けて模様が描かれているのです。 しかも、白い線に比べて黒い部分のアウトラインがより乱れていることから、おそらく、白で線を書いて、その線からちょっと余白をあけて、黒い部分を塗りつぶしていった……のではないでしょうか。 だとしたら、非常に手間がかかります。値段が高いのも頷けます。 線を描く順序が違えば製法も違う はじめに白くして次に黒……の方法は、B天珠の方が近そうです。 ただし、A天珠の線の部分がほぼ均一に白く染められているのに対して、B天珠の線の部分は、瑪瑙の縞模様が出ていて自然な感じに見えます。 全体を染めているからそうなのか、もともと白い石を使っているのか、脱色してより白くしているかだと思います。 さて、ここで小学校や中学校でポスターを書いた時のことを思い出していただきたいのですが、決められた形(文字など)を筆で塗るとき、はみ出したり線がゆがんだりした覚えはありませんか? 黒い部分だけを書けばいいので、A天珠よりは楽でしょうが、天珠は小さいです。模様の線も細いです。トドメに描くのは曲面です。 そんなところに「○」の白い線を塗り残して描け、と言われたら泣きたくなります。 それにしては、B天珠の黒い部分のアウトラインはけっこうきれいでシャープです。よほどの達人の手によるものでしょうか。 しかし、それでは量産は難しそうです。 では、どうなのかというと……「マスキング」ではないかと思います。 白い石に線となる部分を蝋や撥水剤のようなもので線書きして、そのあとで黒を一気に塗るわけです。推測にすぎませんが、塗り残したはずの白い部分が、まるで一筆書きしたようだったり、 (B−2、ちょうど時計で言う3時のあたりが書き始め、書き終わりのように、ちょっと太くなっています)白い線のにじみ具合が、マスキングしたものに近いような……。(B−3) 天珠をひねくり回し、施された製作技法を勝手に想像してみました。いかがでしょうか。 一見同じように見える天珠にも、こんな違いがあったのか、と見ていただければ幸いです。 今度はC・Dタイプに続きます。 |
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