なんだか、すごい石があるらしい。
通称を「ロシレム」という石があります。略さずに言えば「ロシアン・レムリアン・クォ−ツ」。
ヒーリング系のショップでは、かなりな高額商品で、レムリアのエネルギーを秘めているのだとか、女神が宿っているのだとか、いろいろ麗々しい説明書きがつけられている、すごそうな石なのです。
この石が世に出たのは、2001年9月12日です。
同時多発テロの翌日であるこの日に、ロシアからアメリカの石ショップに届き、日本では2002年の半ばあたりから出回りだしたようです。
私がその石のことを知ったのはさらに後で2003年の最後か、2004年はじめ。実物を手にとって見たのは、確か2004年になってからでした。
時期的には、ヒマラヤ水晶に惹かれはじめたのと同じころです。
「ロシレムという、なにやらすごい石があるらしい」
……という、ヒマラヤ水晶を探し始めたのと同じノリでロシレムを探していた私は、ついにあるお店で実物を見つけました。
ヒマラヤ水晶は、「なんだかわからないけど、すごい!」……と,初対面で虜になってしまいましたが、ロシレムの場合は違いました。
「……。(沈黙)」
何の言葉も浮かばない。
なんだ、大したことないじゃん、でもなく、
わからないけどスゴすぎて言葉にできない、でもなく、
いいけど、高すぎて買えない……、でもなく、
この見かけで、何じゃこの値段……でもなく…………
…………ただ、沈黙。
何の言葉も浮かびませんでした。
たとえ、ごく一般的に見かけるブラジルの透明水晶だったとしても、「おお、水晶らしい水晶」とか何とか、印象が浮かびそうなものです。しかも相手は、柱面に刻まれたバー・コード(成長線)やファセット(錐面)のレコード(成長丘)が特徴の水晶なのです。
「おお、いろいろ刻まれてる」とか「表面はこすれてるけど、透明感抜群!」とか、言い表せないはずはないのですが……なぜか、頭は停止状態。
一番近いのは、パソコンの「このプログラムは、現在応答していません」……というアレ。
沈黙はその後も続いた。
そればかりではありません。
その後、ヒマラヤ水晶にやロシア(主にダルネゴルスク)水晶にのめり込み、キラキラきれいな水晶だけでなく、ごつごつワイルドな水晶の魅力もわかるようになったというのに、この沈黙は続きました。
お店だけが、売らんかなのためにもっともらしい話を述べ立てているならば、「そんなものか」で済んだでしょうが、ロシレムを手に入れた人の多くが、何かを、何か強い力を感じておられるようす。
「ロシレム」と呼ばれる水晶に何かがあるのか。
なぜ私にとっては「沈黙」なのか。
いつまでも沈黙のままではいられまいと、調べてみることにしました。
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