パキスタン産 ムーンストーン

浮かぶ光




 えーと、この石は

いつも「掘らせて」いただくお店で見つけた、小さくて透明な石。
水晶(石英)かとも思ったが、若干色味と割れ方が違う。
さわったときの冷たさも、ちょっとだけ違う感じ。
この産地で透明な石ってなんだっけ?
……と思ってひねくり回していたら、蛍光灯を反射して光が見ました。

あ、わかった。



透明な中から、ふわりと浮かび出た青白い光……長石です。
ムーンストーンと言った方がいいのかもしれませんが、光を見つけた瞬間に浮かんだ名前は「長石」。
思ったよりも「鉱物系」入ってます、私。

さて、ちょっと堅苦しい話を続けます。
ご存じのように「ムーンストーン」という名前の鉱物はありません。
長石の中の「正長石(オーソクレース)」の中で、内部構造によって光の散乱が起こり、磨いたとき(あるいは原石でも)月光のようなふわりとした白や青の光(シラー)が浮かび出るものを宝飾の方面で「ムーンストーン」と呼ぶのです。

 
ややこしいぞ、長石!

ラブラドライトも長石の一種ですが、ムーンストーンとは成分が違う別の長石で、光が現われる仕組みも違っています。
ですから、ムーンストーンとレインボームーンストーンを比べて、「光の色が青一色ならブルームーンで、他の色が混じっていたらレインボームーンストーンである」という言い方は、見分け方の面では正しいですが、石の成分としては間違っています。
「レインボームーンストーンの青い光の部分だけを削ったらブルームーンストーン」という説明に至っては、全くの間違い。ブルームーンストーンとレインボームーンストーンは、もともと別の長石なのです。

最近では、「ブルームーンストーン」と呼ばれている石の中でも本来の「正長石」とは別の長石である「ペリステライト」と呼ばれる長石のものが見つかっています。
これは、どちらかと言うとラブラドライトに近い長石の仲間のようです。
くわしく説明すると、かなりややこしそうなので、ここではちょっとパスします。

話がズレましたが、ムーンストーンです。
透明な中から、どこからともなく青い光が浮かび出るさまは、とても神秘的。
磨いていないごつごつした石に光が現われると、それはもう不思議のひとこと。
うまく磨けばルースがとれるかもと言われましたが、もったいないのでそのままにします。

さて、2年ほど前だと思うのですが、私のまわりで「アデュラリアン・ムーンストーン」と呼ばれるムーンストーンが人気でした。
たいていはアクセサリーに加工されていて、ほぼ無色透明な中に青い光が浮かぶ、美しいムーンストーンです。
残念ながら私に会うサイズが無かったことと、どうも私の肌色にはムーンストーンの青い色が合わないようで、手に入れる機会はありませんでした。

 
ムーンストーンとアデュラリア

ところで、ムーンストーンが属する「正長石」の中には「アデュラリア(氷長石)」という変種があります。
「アデュラリアン・ムーンストーン」を手にする機会がなかった私は、氷長石と言うくらいだから、アデュラリアというのは透明度が高い長石で、ああいう美しいムーンストーンがとれるのだろう……と、漠然と考えていました。

そうこうしているうちにやってきたのが今回の石。
透明な中に青い光が浮かぶ……これがアデュラリア?
そう思って、改めて調べてみたら……違うじゃん。

結果を言うと、今回の石はアデュラリアではありませんでした。
アデュラリアン・ムーンストーンと呼ばれる美しいムーンストーンがあるというのに、同じ名前である「アデュラリア(氷長石)」は、ムーンストーンにならない長石だったのです。
これはビックリ。

2007年1月13日、ブログ掲載
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