ブラジル産 インディコライト入り水晶

潮騒の青





しっかりと青

インディコライト(青いトルマリン)入りのブルー・クォーツです。
長さが13センチあるので、この手のブルー・クォーツとしては立派な大きさ。

透明度はさほどありませんが、インディコライトの内包による発色である以上、クリアな青は望めないのはしかたがありません。
逆にミルキーながらしっかりとした青さがこの石の身上。
裏側は一部母岩に接していたのか、形が乱れているものの、そこからインディコライトがたくさんインクルージョンされて、濃淡のある美しい青のグラデーションを作り出しています。

そのさまは、
波で泡立つ海の青

この青さをしみじみと眺めるたびに、清水ダイブな気分で大きな石をゲットした甲斐があったとうっとりしています。

ブルー・クォーツの勢力分布

このインディコライト入り青水晶は、2004年に発見されたと言われ、日本にも2004年末から2005年のアルザス・ショーまでの1年弱ほどの間に、かなりの数がはいってきたようで、数年前までの青水晶と言えばスペインのマラガ……と言われてきたイメージがわずかな時間で一気に塗り替えられてしまったような感があります。

マラガの青水晶は、ご存じアエリナイトのインクルージョンによる青で、かなりグレーがかった渋い色合いの上、整った結晶や大きな結晶が育ちにくい傾向があります。
対してブラジルのインディコライト入り青水晶は、大きなものでは(私が見た限りでは)長さ30センチほどの両手で持つ大きさもあり、整った結晶もかなり出ている様子。
人気があるのも頷けるバリエーションであり、美しさです。

色合いも、ほとんど不透明な藍染め色(インディコ・ブルー)のものから、ややミルキーなブルー(濃いのも淡いのもあり)、クリアな部分と青い部分が入り交じっているもの、インディコライトの結晶が濃く、太く、はっきり針状に内包されているもの、中には淡いシトリンに濃い色合いの針状インディコライトが淡く入っているものまでさまざまです。

これまでもインディコライトによる青水晶は細々と流通していましたが、いずれも靄のようなインディコライトが入っていて、青みもごく淡い色合いに留まっていました。
これほどバリエーションに富んだ色味は、今まで無かったのです。

幻の青と化すか。

ところがこの青水晶、早くも絶産の噂がちらほら。
……というのも、水晶は「カマ」と言われる晶洞なり、鉱脈なりを掘り尽くせば、新たな場所が見つからない限り、新たな供給は望めないものだからです。
事実、今回のアルザス・ショーではまとまった量の流通があったようですが、ディーラーの方からは、次回の入荷は保証できない……と言われたそうです。

さまざまな条件が重なった小さな晶洞でのみ見つかって、幻と化した石……というのは、いろいろあります。
インディコライト入り青水晶が、これから新たな供給があるのか否かについては、神のみぞ知るというところですが、個人的には、必ずや新たな鉱脈が見つかるのではないか……と考えています。

というのも、以前に紹介したナミビアのクローライト入りアメシストのように、小さな晶洞のそのまた一部でしか見つからなかったと言うわけではなく、まとまった量が見つかっているからです。
つまり、それだけ広範囲に渡ってインディコライトが水晶の中に内包される条件が整っていたというわけで、ならば今後新たに鉱脈や晶洞が見つかってもおかしくはないのではないでしょうか。

また、ディーラーサイドから出る絶産情報は、時として産地全体の情報ではなく、そのディーラーが掘っているあるいは取り引きしている場所のみの話である場合があるからです。
ある石屋さんで、この産地はすでに掘れなくなったと聞いたかと思えば、別の石屋さんでは同じ産地の石を入荷し、聞いてみればまだ石は出ているというお話を聞くこともたびたびです。

出会いを待ってます。

そのうえ、産地はブラジル。
何が出てきたとしても驚きません。

今まで手にした青水晶は、スペイン産、ブラジル産、メキシコ産、パキスタン産、(ラベルの上では青の)コロンビア産。あとはアフガニスタン産とマダガスカル産、コンゴ産があるはずなので、気長に出会いを待つとしましょう。

(2005年8月9日、ブログ掲載)
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