水晶だって6角形 トラピチェ・エメラルドとか、トラピチェ・サファイアというものがあります。(ルビーもあります) エメラルドやサファイアの結晶を輪切り状態で見ると、中心から結晶の6つの角へ向かって放射状に6本の筋がはいっている、珍しい結晶です。 これは、結晶軸に沿って不純物が入っているためだそうで、その不純物がなんなのか、なぜ、このような結晶ができるのかは、謎だそうです。 エメラルドもルビーもサファイアも、6角形の結晶なので、先に述べたような6本の筋が放射状に入った結晶になるわけです。 ところで、6角形といえば、水晶も断面が6角形。 水晶にもトラピチェみたいな結晶ってあるのかなあ? ……と思っていたら、いわゆる「スーパーセブン」のようにルチルやゲーサイトのような針状の結晶が放射状に入っているものの中に内包物の交わったところが、トラピチェ・エメラルドのような筋に見えるものがあり、「トラピチェ・アメシスト」と呼ばれるとか…。 ……で、今回はこんな石。 ファントムの裏側 ふつうに見ると左下のような密度の高いファントムです。 よく見かける多重ファントムではなくて、ぎっしり、ファントムが重なっています。 それをひょいとひっくり返して底を見ると…… あらら、まるでトラピチェのように筋が見えます。 これは、ポリッシュならではの楽しみですね。 しかも、外側からは一つのファントムしか見えないのですが、底を見ると、トラピチェ風ラインが二つ……。ということは、もしかしてこの水晶はもともと二つのポイントを持っていたものが、成長するうちに一つになってしまったのでしょうか。 一つ発見! 不純物がラインを作っているのではなくて、不純物の境目がラインを作っているので、厳密にはトラピチェとはいえないと思いますが、こういう石をカボションカットにしてもおもしろいかも。 やっぱり偽物もある。 ところで、本家トラピチェ・エメラルドは、産出がまれで美しいものは更に少なく、高値でとりひきされるため、偽物も作られているそうです。 トラピチェではない結晶のかけらを削ってえんぴつを縦に6等分したような形にし、黒い接着剤でくっつけて作ってしまうのだそうです。 部分部分で色が異なっていることで見分けがつくそうなのですが、最近では、元々一つの結晶だったものをわざわざ割ってくっつけたものも現れたそうで、かなり見分けにくいそうです。 2005年11月26日、ブログ掲載 |
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