ターコイズ・ブルー ターコイズについて調べてみたら、天然ものから始まって、ターコイズじゃないターコイズまで、なんといろいろあるものだ……と感心してしまいました。 これで水晶とかならば、 「やっぱり原石が好き!」「加工しているのなら加工とはっきり言ってちょうだい!」 と声を大にしているところですが、ターコイズの場合は、結晶の形を持たない石だからでしょうか、それとも天然だか加工だか、なかなか見分けられないせいでしょうか。 せめてハウライトトルコくらいは「これはターコイズではない」と明記して欲しいとは思うものの、加工品に対してあまり抵抗がありません。 むしろ、こうまでしてターコイズ・ブルーを手にしたいのかという「情熱」すら感じてしまいます。 やはり、石そのものだけでなくアクセサリーとして見ることが多いために、加工されていても全体のバランスとして良ければOKという意識があるのかもしれませんね。 でも、やはり私は、より天然に近い石が好きです。 ただし、ターコイズは加工品が大変見分けにくいので、正しくは「より自然に見えるもの」です。 イラン産のターコイズは、色が明るくかつ深みがある「ロビン・エッグ・ブルー」と呼ばれる美しい石がとれるそうですが、真っ青一色で磨き上げられたアクセサリーよりも、マトリクス(トルコ石の青い部分と一緒に削られた母岩の一部)やスパイダーウェブ(網目状の筋)がある「原石」の表情を持った石の方が好みです。 すると、アクセサリーのデザインも、すっきり繊細なものよりも、インディアンジュエリーにあるような、ハンドメイドの味のあるシルバーアクセサリーということになります。 しかし、原石の味を残した模様を持つアメリカ産のターコイズは、現在では産出量が少なく、多くの鉱山は閉山していて、そういうところのターコイズは大変高価で高値で取り引きされています。 そのため、インディアンジュエリーでも中国やチベット産の石を使用しているものもあります。 中国は、何しろ国土が広いので、場所によって実にさまざまなターコイズを産出しますが、一般的にチベット産や中国産のターコイズは緑がかっているとされています。 ブルーのメカニズム ターコイズの色は含まれる銅やアルミニウムの量によって左右されます。 あちらこちらの資料を見ていると、ターコイズに含まれる成分のうち、銅が多くなると青くなり、アルミニウムが多くなると緑っぽくなるという説明を見かける一方、鉄が多くなると緑になるという説明も見かけます。 さらに資料をあさってみて、個人的にまとめてみますと以下のようになります。 ●銅が多くなると青みが強くなる ●鉄が多くなると緑っぽくなる。(アルミニウムの一部が鉄になる、とも説明されている) アルミニウムが鉄に置き換わると「鉄トルコ石」(チャルコシデライト/Chalcosiderite:緑色か黄緑色)になる。 ●アルミニウムが多くなると白っぽくなる ●亜鉛が主成分になる(銅の一部を亜鉛に置き換える)と、 ファウスト石(ファウスタイト/Faustite:アップルグリーン?)になる。 一口にターコイズといっても、「これが?」といいたいほど緑っぽいのがあるかと思えば、指が染まりそうに青いものもあり、不透明な石でありながら透明感が感じられるものもあれば、全くの不透明もある。無地も、色むらも、母岩とのまだらも……という感じで、ターコイズは見れば見るほど個性的で、人によって好き嫌いが分かれるのもわかりますね。 空の青を身につける 私は、どちらかというと緑より青……。青緑よりも「青」が好きです。 マトリクスやスパイダーウェブも好きですが、完全不透明よりは、ちょっと透明感があった方がいいです。 と、「ターコイズが気になる波」に揺られてターコイズを見ながら、「これは好み」「これはイマイチ」と分類していたら、どうやら自分にとってのターコイズの色は、「空の色」なのだなと気が付きました。 ネイティブ・アメリカンにとってもターコイズは「空の色の石」なのですが、たとえば、スリーピングビューティー鉱山の色の濃い青いターコイズの色が、赤っぽい砂漠に映える空の色だとすれば、私がいいなと思うのは、砂漠にくらべて水蒸気が多くて幾分水色っぽい柔らかい日本の空の青。 そして、天然(に近く見える)のターコイズの色のゆらぎ(均一ではなく、部分によって色が違う)を、とても美しく感じるのです。 そして、石とともに魅力的に感じるのがインディアンジュエリー……そこに息づくネイティブアメリカンの感じ方や考え方です。 ネイティブアメリカンはかつてインディアンと呼ばれていました。 これはコロンブスがアメリカを発見したとき、インドだと思いこんで、そこに住む人をインド人(インディアン)と呼んでしまったのが始まりです。 その後、白人と「インディアン」のあいだには、重くつらい歴史が重ねられてきました。資料も私の理解も足りないので、あえてここではその歴史を紹介することはしません。 それは軽々しく扱うことはできない事柄だからです。 白人が持ち込んだ病気や戦争などによってネイティブアメリカンの暮らしは大きく変わりました。 しかし、暮らしも、言葉も、取り巻く環境さえもが大きく変わってしまっても、彼らは先祖から受け継いだ変わらない「何か」を今も持っているように思います。 ネイティブアメリカンがターコイズを神聖な石として重んじてきた歴史は長いものですが、実はシルバーとターコイズを組合わせたインディアンジュエリーの歴史は、意外に浅いものです 1600年代にスペイン人の侵攻で銀細工の技法がもたらされ、細工技術が確立したのは19世紀になってからだといいます。 インディアンジュエリーをつくる4部族 ジュエリー制作で有名な部族は4つあります。 大きな石を使ったり、模様の鏨を使ったスタンプワークが得意なナバホ族。 小さな石を花のように放射状に配置する「ニードルポイント」や、細かく加工した数種類の石や珊瑚、貝を埋め込んで模様を形作る「インレイ」といった手法を得意とするズニ族。 銀の板に、模様を切り抜いた別の板を合わせ、いぶしてへこんだところを黒くして模様を描くホピ族。 ターコイズや他の石をいろいろな形のビーズに加工し組合わせる、サントドミンゴ族です。 それぞれに個性豊かですが、そこには先祖から受け継いだ物語や考えがモチーフとなって描かれています。 はい、お察しのとおり、ナバホのジュエリーが好みです。 ターコイズ=天の水 (母なる大地に雨を降らせ、作物を育てる天の父性を象徴) シルバー=地の火(地中深く眠るシルバーは母なる大地の息子。また、大地の女神たちを守る守護神の象徴) サンゴ=地の水(母なる大地の成熟した姿の象徴。海の女神の象徴でもある) と言われるそうですが、こういうことを聞くと、やみくもにインディアンジュエリーが欲しくなって困ります。 ※さらに長くなるので(3)へ ※もう一度(1)を読んでみる |
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