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エレスチャルビーズの怪
クリアとアメジストが混じり、いろいろ内包物が入った水晶ビーズ。
お店の説明そのままで「わーい、エレスチャル!」と買っちゃうと、ちょっと違うかもしれませんよ。

突然ですが、質問です。
下のイラストのような水晶があった場合、どちらがエレスチャルだと思いますか?



もうひとつ質問です。
下のようなビーズがあった場合、どちらが「
エレスチャル・ビーズ」だと思いますか?



おそらくほとんどの方は、1問目は「B」、2問目は「A」がエレスチャルと答えるのではないかと思います。私もつい最近までそう答えていたと思います。

最近(2006年6月現在)、2問目の「A」のようなビーズやそれを使ったアクセサリーを見かけます。
確かにきれいですけれど、水晶とは思えないような値段にビックリします。
しかも名前が「エレスチャル」。パワーには全く鈍くても、なんだかすごそうだという気分になります。

ところで、みなさんすでによくご存じのように、私は原石派石好き。
なんの疑問もなく2問目の「A」をエレスチャル・ビーズと言っていた私ですが、ふと「原石派石好き」の目で見たら、どうもおかしい。
何がどうおかしいか、二つの質問の元になった石をご覧いただきましょう。



トリックでもなんでもなくて、1問目は、写真の石をトレースしたもの、2問目はそれぞれの石の一部分を丸く切り抜いたものです。

Aの石は、ブラジル産の「スーパーセブン」、(どうみても7つは入っていなくて、個人的には「非S7」ですけど)Bは、淡いシトリンのごつごつ水晶です。(写真ではよくわかりませんが、一部に泥が食い込んでいる以外はクリアで内包物なし)
つまり、
いろいろ内包物が入っているアメシスト混じりの水晶=エレスチャルではないということです。
なのに、ビーズになると、いろいろ内包物入りだと疑問もなく「エレスチャル」といってしまう。
よく考えると、これは


そもそものきっかけは、石好き仲間さんとの間で、どうみても単結晶なのにエレスチャルといわれた、とか、スーパーセブンはエレスチャルだという話を聞いた……とかいう話題が出たからです。
ふーんと聞き流せばそれで終わってしまうのですが、ちょっと待て。それって

先日の新宿ショーでも、インドブースの店員さんが、「いろいろ中に鉱物が入っているこういう水晶(磨き)をエレスチャルといいまして、鉱物が入っていることで水晶のパワーがアップするんです」……と説明していましたっけ。やっぱり、
なんだかエレスチャルとスーパーセブンの説明が、ごちゃごちゃになっていませんか。

確かに、エレスチャルと呼ばれるゴツゴツした水晶の中には、内包物たっぷりで、スーパーセブンといえそうなものがありますが、だからといって、エレスチャル=スーパーセブンというのはあまりにも乱暴です。

言ってしまえば、エレスチャルであると同時にスーパーセブンである石があるし、スーパーセブンであってもエレスチャルではない石もある。
反対にエレスチャルであっても内包物がない石もあるってことなんですが、ちょっと頭を整理しておきたいところです。

そもそも
エレスチャルというのは結晶学的に「骸晶」と呼ばれるタイプの水晶のこと。要するに結晶のしかた、あるいはあるタイプの結晶の形の名前なのです。

対してスーパーセブン
「クリア・アメシスト・スモーキーが混じった水晶の中にルチル、ゲーサイト、レピドクロサイト、カクコセナイトの4つが内包されたもの」
つまりは水晶の中身に対して付けられた名前です。

エレスチャルは「水晶の長老」だとか、「普通よりもゆっくり結晶した古い水晶」だとか言われますが、どうもこれは疑問です。
なぜなら、結晶学で「骸晶」と呼ばれるタイプのものは、結晶化駆動力が大きいため、形の整ったきれいな結晶よりも結晶する速度が速いと言われているからです。

この結晶化駆動力とは何かというと、簡単に言えば、水晶が成長する熱水の中に、水晶の材料となる成分(珪素)がたくさん含まれているということです。
つまり、材料がたっぷりなので、あっちこっちでいっせいに結晶が始まって、ごつごつした複雑な形になったのだと言えます。くわしくはこちら

水晶は、地下の熱水の中で成長します。
そこに水晶の材料がたっぷりとけ込んでいるということは、他の鉱物の材料もたっぷりとけ込んでいる可能性が高いです。……となれば、水晶が結晶するのと同時に(あるいは水晶より先に)、他の鉱物もいろいろ結晶して、それが水晶に内包される可能性は高いです。

しかし、エレスチャルは形の名前スーパーセブンは中身の名前なので、内包物たっぷりだからといってエレスチャルだとは言えません。
したがって、内包物入りの水晶ビーズがエレスチャルだとは限りません。
そもそもエレスチャルは形がゴツゴツしているので、加工するには不向きだと思います。それよりは、内包物たっぷりの石英状態(塊状)の石を加工した方がたやすいはず。

昨今、パワーストーンといえばビーズでブレスレットというパターンが多いですが、お店が付けた名前に振り回されていると、エレスチャルだと思って買ったものがエレスチャルでない可能性もあるというわけです。

私は原石派ですが、「実は違った」という事態は悔しいので、一生懸命自分なりに理解するようにしています。……というか、スーパーセブンというのは、ブラジルのエスピリト・サント州、もしくはミナスジェライス州というところで採れた内包物入り水晶のことらしいのですが、産地規定はきれいさっぱり無視されていますねえ……。
(2006年6月16日、ブログ掲載)
追記:偶然ながら、現在、内包物入りの水晶を「エレスチャル」とするところは減ってきているようです。その代わり、「エレスチャル・スーパーセブン」という名称が出てきました。これも実はです。
詳しくはこちら。)
追記2:ブログ掲載時は、産地をエスピリト・サント州と書いていましたが、その後ミナスジェライス州でも産出し、ミナスジェライス産の石がメロディー氏のもとに渡っているとお聞きしましたので、産地にミナスジェライスを追加しました。

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