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水晶のふるさとを知ってみよう
(ペグマタイト編)



上のような図を見たことはありませんか? 鉱物の本を見ると、たいてい出てくるもので、
鉱物(水晶含む)や岩石は、こういうところでこういう種類ができているんだよ〜という説明をしてます。
ここまで来ると、「うわ、鉱物」「難しそう」と尻込みしちゃいますね。(私もそうでした)


でも、考えてみればこれは「水晶のふるさと」のお話。
水晶っていろんなところで育ってるんですよ〜……と聞くと、興味が湧いてきませんか?
実は、わかってみると意外におもしろい。

尻込みされてしまうのは、きっと文章が多いから? だったら図たっぷりで言ってみようじゃありませんか。


※注意: 私は「とリあえず知っている」程度で、実は詳しくありません。
なので、「わからなかった私にもわかるように」
大ざっぱにいってみます。
※ここでは、単純化して説明しています。
実際はさまざまな環境・環境により、違いがあります。

いろいろ調べてまとめましたが、
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ペグマタイトって?
いきなりそこから入るとややこしいので、まずは「そういう名前のもの」と思っておいてください。

こちらで説明したように、水晶が成長するのは地下深くの熱水の中。
熱水というからには熱いです。
どうして熱くなるかというと、たいてい地下のマグマが関わってます。

今回は左の図の矢印のところあたりのお話しです。
マグマは地下深く深くで岩石が溶けてどろどろになったものそれが地下から上がってきて、地表に出たところが火山であり、あふれ出したマグマが溶岩となります。

でも、地下から上がってきたマグマ全部が地表に吹き出すわけではなく、上がっては来たものの、途中で止まってしまうものあります。

熱々どろどろのマグマも、途中で止まってしまうと、周りの岩などに熱を奪われ、冷えていきます。

とはいえ、地下のけっこう深いところなので、溶岩として地上にあふれ出したものに比べ、ゆっくりじっくり冷えていきます。

マグマは岩石が溶けたもの。……ということは石(鉱物)の材料の塊です。

熱水に溶けていた水晶の成分が温度が下がることで溶けていられなくなり、結晶になるように、マグマも冷えるとそこに含まれていた成分がどろどろの状態ではいられなくなり、いろんな鉱物がいっせいに結晶し始めます。
六角柱の頭とんがりの水晶や、さいころみたいなパイライトのように、鉱物にはそれぞれ独自の結晶の形があって、できることならその形になりたいんですが、マグマのような材料の塊の中でいろんな鉱物がいっせいに結晶し始めると、そんな悠長なことは言っていられません。そんな余裕もスペースもありません。

ごちゃごちゃの押しくらまんじゅう状態で、いろんな鉱物が入り交じります。このようにたくさんの鉱物がモザイクみたいにぎゅうぎゅうに混じったもの……それが
岩石です。

マグマが冷えてできる岩を火成岩といい、その中で地下深くでじっくりゆっくりマグマが冷えてできる岩を深成岩(深成岩)といいます。
つまり
火成岩:熱々のマグマからできた岩
深成岩:「深いところでできる岩

……
意外にそのまんまな名前ですね。
ゆっくりじっくり冷えるので、鉱物の粒は比較的大きめ。


花崗岩
はその代表選手です。
花崗岩をアップにしてみました。
(これは一例で、もっといろいろな混ざり方、色があります)

複数の鉱物がモザイクのように混ざっているのがわかります。

花崗岩は、長石・石英・雲母などから成ります。
(地球の地殻:一番外側の岩盤の薄い層には、長石が一番多く、2番目に石英が多く含まれているそうなので、長石や石英が多く含まれるのもなるほどです)

同じようにマグマからできる石でも、マグマの成分によって、違う岩石ができる場合もあります。
マグマは、周りの岩に熱を奪われて冷えていくので、冷えて結晶していくのは当然、外側から。
焼き芋が外が冷えても中が熱々だったりするように、真ん中は冷えにくく、外側よりもさらにゆっくりじっくり冷えていきます。

その分、それそれの鉱物が成長できるので、ぎゅうぎゅうモザイク粒が大きくなります。

これを巨晶花崗岩といいます。

いきなり見ると何じゃこりゃですが、要するに「粒(それぞれの鉱物の結晶)がでっかい花崗岩」
これもやっぱりそのまんまな名前ですね〜。

そして、これを英語では
ペグマタイト(pegmatite)というのです。
意外なことに、どろどろ熱々のマグマにも気体や水が含まれています。

マグマが冷えて中の成分が結晶していくと、ガスや水はそこには入ることができなくて、徐々に押し出され、あるいは集まり、まだ完全には固まっていない(結晶していない)中心部当たりにぽこっと泡(隙間)を作ることがあります。


※ミネラルショーでお聞きしたところによると、最近の研究では花崗岩の中心部分よりも、の方で晶洞ができて結晶することが多い……とか。
そのような隙間を、やはりまわりから押し出されてきた水(熱水)が満たします。

言ってみれば、まわりの岩の残りですが、そこはそれ、鉱物の材料の塊の中から出てきた水なので、まだまだ鉱物の材料をたっぷり溶かし込んでいます。

マグマがすっかり固まってしまう最終段階なので、先を争っておしくらまんじゅうで結晶することもありません。
最後に残った空間で、鉱物はのびのび成長し、本来の結晶の形を残します。

美しい結晶とたくさんの種類が一堂に集まった豪華なものになることが多いです。
上記のようなペグマタイトの中の晶洞(結晶が成長している岩の隙間)で見つかる鉱物をペグマタイト鉱物と言います。

石英、長石、雲母、蛍石、トパーズ、ベリル、トルマリン、ガーネットなどが代表的です

たとえば左の写真はペグマタイトで産出した標本で、いろいろな鉱物が集まっています。
マグマからできた花崗岩は、微量の放射性鉱物を含んでいることがあります。

その場合、ペグマタイトの中で結晶した水晶は、地下に埋もれていた長年の間に天然の放射線を浴び、スモーキー化することがあります。

よく、スモーキー・クォーツが放射線を発して健康を害するのではないか……と心配する人がいますが、スモーキー・クォーツはまわりの放射線で色が変わっただけ。自分では放射線を発することはできません。
放射性鉱物を内包していることもあるかもしれませんが、あったとしてもわずかなものです。
それを心配するくらいなら、スモーキー・クォーツを内包していた花崗岩の方が放射線量は上ということになります。スモーキーを恐れて、花崗岩は気にしないのは変です。
これが天然の放射線を浴びて真っ黒になった水晶。産地は中国で、ペグマタイトかどうかはっきりとはしていないんですが、国内で有名なペグマタイトの産地(岐阜県)で、そっくりな長石と黒水晶の組み合わせが出ます。

産地を聞かなければ間違えそうなほど似ているので、おそらくペグマタイトの中から見つかったのだろうと思います。

ペグマタイトは粒の大きな花崗岩。代表的な花崗岩の成分のトップ2は長石と石英。
この標本も長石と石英のコンビネーションなので、組み合わせとしてもばっちりです。
さて、ちょっと話が変わって、マグマのまわりの岩の話です。

マグマの方から見れば、まわりの岩に熱を奪われ冷えていき……なんですが、まわりの岩からすれば岩が溶けるくらいに熱々のものがやってくるわけで、熱を奪うどころか、人間で言えば
やけど」状態になります。

熱や圧力を受けて、その岩石を構成する鉱物の組み合わせや、岩石の構造が変化することを変成作用といい、そうしてできた岩を変成岩、マグマに触れてその熱で変化したものを特に接触変成岩といいます。
(訳して(?)みれば、

変成岩:
変化しちゃった岩
接触変成岩:
マグマに接触して変化しちゃった岩
……ということで、実はわかりやすい名前)

スカルン編も見てみる

※注意: 私は「とリあえず知っている」程度で、実は詳しくありません。
いろいろ調べてまとめましたが、
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