北の大地の石たち 珍しく国産の石などいかがでしょう? 青森の尾太鉱山の水晶です。 青森といえばリンゴ。個人的好みで言えば世界遺産・白神山地……なのですが、その青森からやってきたこの石、ブラジルやアーカンソー産というよりは、ヨーロッパやロシアに近い、よく言えば神秘的な、悪く言えば、ちょっと見た目が渋くて癖のある姿をしています。 尾太鉱山は、黄銅鉱や黄鉄鉱、閃亜鉛鉱、良質のロードクロサイト等が採れたことで有名で、私の持っている水晶も、パイライトと共生しています。 いまのところうちにいる尾太水晶は3つ。 左上がずっしり重い大ぶりなクラスター。右上が巨大クラスターからとれてしまったのを 安く譲っていただいたポイント。パイライトだけでなく、ちょっぴりロードクロサイトが付いています。 そしてこれ、先に紹介した「ルーマニアの白」と、結晶のしかたがそっくりなんです! 右下が手のひらサイズの小さなクラスター。パイライトと水晶のバランスがいいです。 今や、幻に 残念なことに、尾太鉱山は昭和53年(1978年)8月に閉山しています。 かつての鉱山町もダム湖の下に沈んでいて、コレクターの放出品か、お店の在庫、あるい山を歩いて行って人力で担いで持ってくる以外、ここの鉱物は今後望めないという貴重な物なのです。 ですから尾太水晶は、見かけたらそばで見てみる、さわれたらさわってみる、予算が許せば買う……。そんな感じです。 左上の大ぶりなクラスターがやってきたので、(それも、破格のお値段!)目の色を変えてまで探す……とまではいきませんが、それでも、かの有名なロードクロサイト付きを見つけたら、迷っちゃうでしょうね……。 透明感や照りは望めませんが、光に透かせば意外にも繊細な花びらのよう。まさしく水墨画のような味わいの石なのです。 (2004年11月9日、ブログ掲載) |
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