アフガニスタン産 ローズクォーツ結晶

心を包む色





 癒されない「癒し」という言葉

「癒し系」「癒しグッズ」……ちまたには「癒し」という言葉が溢れています。
ところが、私はこの言葉があまり好きではありません。
「癒し」という言葉がだめだというのではなくて、その使われ方にひっかかるものを覚えるのです。

あふれる「癒し」という言葉が示すものを見ると、それは「心安らぐ」ものであったり、「くつろぎ」であったり、「心に染みる」「心が静まる」「くつろぎ」「安らぎ」「静謐」など、本来はさまざまな言葉で表現されるものであると思うのです。
大雑把にくくれば「心が癒される」なのかもしれませんが、微妙に心に響き、作用するものであるからこそ、乱暴にひとつの言葉で表すことには疑問を覚えます。

会話している時に用いられる「癒し」という言葉にはさほど違和感を覚えませんが、「癒しグッズ」などのネーミング、「癒されますね〜」というメディアのコメントにはちょっと待て! と言いたくなってしまいます。
「癒し」という言葉の乱発は、まるで「癒し」という言葉をひとつの記号に置き換えてしまっているように思うのです。
まあ、私個人のわがままな感覚ですけれど。

 幻の薔薇色

なので、個人的にはめったなことで「癒し」という言葉を使わないようにしているのですが、今回のネタ石には使っちゃいます。

やはり寒くて、風景もちょっと寂しい季節には、やはり暖色系でやさしげな石が気になってしまうものなのでしょうか。なんとなく冬になって手に入れた石は、暖色系のものが多いような気がします。
そんなあったか系の石の中でも、この石は格別です。
2004年の池袋ショー最終日の白眉……。
まさか出会えるとは思っていなかった、「欲しい石リスト」のトップクラスにランクされていた石。
アフガニスタンのローズクォーツです。

ローズクォーツの産地といえばまず思い浮かぶのがブラジル、そしてマダガスカル。
そのほかの産地ではモザンピークのものを見たことがあります。
名前だけを聞く産地では、ドイツ、チェコ、ロシア、フィンランド、アメリカ、ナミビア、南アフリカなど。日本でも産出するそうです。
その中で結晶を産出するのはブラジルが有名ですが、実は、アフガニスタンのものも結晶しています。
いや〜まさに薔薇色。
しみじみと「癒される〜」とつぶやいてしまう、
無敵のしあわせ色!
見るたびに自然に口元がほころびます。

ブラジルのローズクォーツの結晶や、マダガスカル産の色の濃いものとくらべてみたのですが、ぶっちぎりで色が濃いです。
マダガスカル産で、紫色に近いほど色の濃いローズクォーツ(結晶ではない)を見せていただいたことがあるのですが、それよりは薄い……かも。

写真の石は幅1.3センチほどと小さいですが、比較的結晶の形がはっきりしています。
その一方で、赤紫といいたいようなさらに濃い色で、まるでカルセドニー(玉随)のようにも見える結晶の石も産出します。
まさに薔薇色なこのローズクォーツは、産出量が少ないらしく、石屋さんでもネットでもほとんど見かけません。うわさでは、すでに絶産だとも聞きます。

ローズクォーツの発色原因は微細なチタンのインクルージョンであるとか、燐の混入と天然の放射線によるものだとか言われていますが、この濃い薔薇色も、同じ発色原因なのでしょうか? ちょっと信じられません。


(2004年12月23日、ブログ掲載)


 

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