見つけてラッキー! 2006年池袋ショーで「見つけてラッキー!」だった戦利品。 水晶の丸玉です。 サイズは直径約2センチ、ちょっぴり大きめのビー玉サイズ。 ごくごく淡くクローライトを内包し、やさしい緑色に見えています。 例によってひとつ数百円の均一売りの籠の中に、磨きのポイントやハート形、動物のカービングなどと一緒に入っていました。 私は、(できれば)非研磨の原石派ですが、このお店は意外に面白いガーデンやルチル入り水晶が見つかるので、磨きが多いにもかかわらず、必ずチェックしてしまうのです。 前述したように、最初に目を惹いたのは、色でした。 均一で粒の細かいクローライトがうっすら。繊細な色合いです。 くるくる廻してみると、透明に見えるところと色が付いて見えるところがあったので、それがファントムであることがわかりました。 ファントム・クォーツは、原石の形を模したポリッシュに加工されることが多いです。 (ポリッシュは磨きという意味で用いられ、ハート形にした物もポリッシュですが、私は、原石に近い形にしたものをポリッシュ、違う形に加工した物を「磨き」と読んでいます) ポリッシュでも、先端の角度などが原石に近いもの、できれば原石当時の形を改変していないものが良いと思っています。 しかしながら、ファントムであってもその後結晶が塊状になってしまっていたり、結晶がダメージを受けている場合もあって、そういうものは丸玉にも加工されるので、ファントム入り丸玉もあり得ます。 ファントム入り丸玉は、内包物が一定の面になって層状になっていたりすることで、かつては結晶の形をしたファントムの一部だったのだろうと推測できるわけですが、この丸玉は違いました。 何気なく見ていた私は、「それ」を見つけてにんまり。 では、上の写真から角度を変えてみましょう。 |
すっぽり。ファントム 右下に、補助的にラインを入れたものを並べてみましたが、なにやら丸玉のアウトラインである円を三等分するような影がおわかりいただけるでしょうか。 メルセデスのマークのような感じです。 そう……これは、ダウであるとは言い切れませんが、少なくともそれに近いほど、バランスのとれた面を持つ淡いグリーンのファントムが、きれいに石の真ん中に入っているのです! これぞ、トリミングの勝利! わかりやすいようにイラストにもしてみました。 |
こんな感じでぎりぎりいっぱいにファントムが丸玉の中に閉じこめられています。 丸玉を作るのには、完成品の少なくとも倍、三倍の大きさの原石が必要だと言われています。 そんな丸玉の中に完璧ファントム! 必要な大きさの原石の真ん中にファントムがあり、そのファントムがバランスの良い美しい形をしているという条件がそろう確率は、想像以上に少ないに違いありません。 この石には一か所、磨きとりきれなかった傷(原石時のへこみ)があり、磨きの職人さんが、細心の注意を払ってなんとかこのファントムをきれいに丸玉におさめようと苦心されたことが伝わってきます。 自然の偶然と職人の心遣いと技、そしてそれが私の元にやってきた……その確率は、すでに奇跡の領域と言いたいです。 産地が珍しい、産出量が少なくて珍しい。 いろいろな珍しさがありますが、人為がかかわった珍しさもあり得るのだと深く頷いた一品です。 2006年12月12日、ブログ掲載 |
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