パキスタン産 アクアマリン

雨の気配




 セルフ・クリーニング

パキスタン産のアクアマリンです。大きさは3センチほど。
例によってお店の棚、いや籠を掘って掘って掘り返し、見つけた石をさらに針でつついてクリーニングしました。
この石は、細かい鱗のような雲母が付着していて、もともとはもっと雲母に覆われていたのです。

雲母がその石の産状を示していたり、石の表情を盛り上げてくれることもありますが、時には、せっかくの石の表情を隠してしまうことも。
壊したり傷を付けたりするとコワイので、めったにやりませんが、時には思い切って針でつついてみることもあります。

まずは、石をじっくり見て観察。
じゃまをしているこの鉱物(土)はなんだ?
母体となる鉱物の硬さは?
鉄のモース硬度は「4」。
カルサイトはモース硬度3なので、だめです。
フローライトはモース硬度4なので。鉄の針でつついたら傷が付くかもしれませんが、モース硬度7の水晶、7.5以上のアクアマリンであればまず大丈夫。
それでも慎重にちくちくとつついて、クリーニング。

しかし、くっつき方によっては、いくら鉄よりモース硬度が高い鉱物でもダメです。
たとえば、水晶にトルマリンがくっついていて、結晶のへこんだところに土のような物が詰まっている場合、水晶とトルマリンなら硬さとしては大丈夫ですが、もしかしたら、水晶とトルマリンの間にも土が詰まっているかもしれません。
そんなところをつついて土を剥がしていくと、トルマリンが水晶からポロ……という場合もあります。

写真の石は、運良くそういうこともなく、針でつつくことが可能でした。
しかし、雲母がところどころしつこく食い込んでいたので、すべては取りきれませんでした。
余分な付着物をとることができても、とった跡が汚く見えてしまうのではとらない方がマシです。
そういう意味でも写真の段階でクリーニングをストップ。

このアクアマリンは、よく見る六角柱状の結晶ではなく、細い結晶が束になったような形状をしています。色もパキスタンにしては濃いです。
細い筋が重なり、その置くに青みを宿した風情は、どことなく氷と言うより雨。
みずみずしくて軟らかい感じがします。

2007年2月9日、ブログ掲載
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