海藻…… パキスタン(もしかしたらアフガニスタン)産の水晶です。
「え、違うんじゃないの?」 と、つっこまれそうな気もするのですが、登場です。 どうにもこうにも写真に写らないので困りものですが、全体の形は、ごつごつしたカテドラル状。 凸凹の表面が光を反射させていますが、中はかなり透明です。 問題は、水晶の中に内包されている、茶色いもの。 アップにしてみるとこんな感じ。 なにやら、海中のワカメにも見えそうな、茶色に透ける薄いフィルム状のものが内包されております。 いったいこれは? 唯一の手がかりは、海外のインクルージョンもの水晶を集めた本の中に同じような石が載っていて、「バイオタイト入り水晶」であると書かれていること。 見た目で判別は難しい バイオタイトとは黒雲母のことです。 雲母と言われてみれば、薄っぺらで透けて見えるのも納得です。 パキスタン北部からは、雲母の中にガーネットや、アクアマリンやフローライトが結晶しているものもたくさんあって、とりあえず、雲母は産出します。 いや、黒く見えるから黒雲母じゃなくて、違う雲母ということはあるかもしれないけれど、これは、雲母入りと言うことでいいんだよね? ……と思っていたら、見ていただいた石屋さんや他の方が、「雲母じゃないかも」とツッコミ。 こういう場合、もう一つ疑うのが、水晶の中に薄い膜状のクラックが入り、そこに鉄分とか泥とかが内包されている場合。 ルチル入りのトパーズとされていたものが、実はルチルではなく、結晶内の薄い管状欠陥に褐鉄鉱が入り込んだものだったということがあったときいたことがあるので、同じことが水晶にも起こらないかと考えたのですが、フィルム状の内包物に見えるものは、ひびにはいりこんだものにしては、色合いが均一です。 形もだいたいが細長い三角形状に見えていて、通常の水晶内のひびのようには見えません。 たぶん、雲母……と思いたいのですが、塊ならばいざ知らず、こんなぺらぺら状のものが、まるで海中を漂う海藻のようにひらひらと、水晶の中に内包されるものでしょうか。 それに、雲母の結晶ならば、六角形とか、きちんとした結晶っぽい形になりそうだし……。 便宜上、「バイオタイト入り」と呼んでいますが、実は、正体不明の不思議石。 ちなみに、ネパールからも同じような内包物入りが出ます。 2007年6月25日、ブログ掲載 |
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