ブラジル産 ルベライト

アブナイ色




ハマるとこわい

色彩の石、トルマリン。
宝石鉱物、トルマリン。
宝石の中に数えられるだけあって、原石でも値段はかなり威張ってます。
いやー、トルマリンは、はまるとやばいと思っているんですど……、確かに色はきれいだし、意外に結晶の形も表情豊かで、「結晶好き」のツボをくすぐる石であることがわかってきて、ああ、ちょっとヤバいかも。

それでも、「高いのはダメ」「どうせなら水晶と一緒で」と自らにストップをかけてきたのですが、ある色にやられました。

ルベライトです。

リチウムを含むリチア電気石(エルバイト)と呼ばれるもののなかで、マンガンによって濃いピンク〜赤に発色しているトルマリンのことです。

ピンク・赤・紫のトルマリンのことだと言われることがありますが、ルベライトの語源がラテン語の「赤」であることを考えると、ピンクでも赤に見えるほど濃いもの、紫でも鮮やかな赤紫、マゼンタ系の色だと考えた方がいいのではないでしょうか。

その点では、写真のトルマリンは、堂々のルベライト。
結晶の先天部分はあいにく無く、表面にもおそらくレピドライト(リチア雲母)と思われるものがたくさんくっついていて、見た目の形は美しくありませんが、色は、芳醇なるピンク赤。

この色にやられました。

光に透かし加減の写真をもう一枚。


うっとりな色の語源は?

こういう色の結晶が、水晶の中に入っていたら、きれいでしょうねえ……。
多分手が出ない値段でしょうが。

さて、先ほどルベライトの語源がラテン語の「赤」だと書きましたが、検索してみると、ラテン語の赤を「ruber」とつづっているところと、「rubellus」とつづっているところがあります。
念のため、それぞれの綴りで検索してみたところ、どうも
「ruber」の方が正しいようす。

ラテン語辞典のようなページまでさかのぼれなかったのですが、「ruber」は、石のページ以外にも「ラテン語で赤」だとしているサイトがたくさんあったのに対し、「rubellus」は、どうやら「ruber」にちなむ赤い生き物の学名らしきものがヒットしてきます。
まず出てきたのが
赤い○ミズ……。

大却下。

石のことを調べる際には、ネットで検索して参考にすることが多いですが、なるべく複数の情報元にあたりたいもの。
今回、ラテン語の赤を「rubellus」としている宝石系サイトが数カ所ありましたが、これは、どこかの勘違いが広がったものかもしれません。
ラテン語の赤が「rubellus」とも言う可能性もありますが……。
……と、もう一つ情報が出てきました。
ラテン語ではなくギリシャ語の「赤」だということです。

検索して、出てきた情報にすぐに飛びつくのは、大変危険です。

2007年8月30日、ブログ掲載
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