ルチルじゃないよ、角閃石よ ヒマラヤ水晶です。ネパール産です。 大好きとんがり型に、色良いクローライト、そして銀色の針状結晶。 ちょっと前まではルチル入り〜♪と喜んでいましたが、今では角閃石入り! と気合いを入れて宣言します。 すべてが完全にわかるわけでなく、多分あちこちで間違いもしでかしているだろうに、ちょっとわかったくらいで、うるさくルチルじゃなくて角閃石だと連呼しなくても……と自らを省みることもしばしば……。 だがしかし。 ふと辺りを見回せば、ルチルと確信が持てないから「針入り水晶」とぼやかしておくか……ではなくて、 「角閃石ルチル」 「水晶内に針状のものが内包されているものを総称して「ルチル」と呼ぶのが通例となっています」 ……など、ますますおかしな方向に。 針入り水晶としておけば、それがどんな鉱物かに関わらず、針状の結晶が内包されている水晶ということで、間違いではありません。 (逆に針状ではない、たとえばヴィーナス・ルチルのような細くてしなやかな内包物には使えませんが。) |
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しかし、角閃石とルチルは全く別の鉱物。 それをくっつけて呼べば意味不明です。 それはあまりにもいい加減 何でもかんでもルチルと呼ぶのは、確かにあちこちで行われているかもしれませんが、そのきっかけと言えばルチルだけを麗々しくパワーある石として紹介たために、それっぽいものを全部ルチルと呼んでしまったことに始まります。その方が売れるから、呼びやすいから、と何でもかんでもルチルと呼び、「それが通例です」では、あんまりいい加減じゃないでしょうか。 せめて「ルチルと呼ばれていますが、実際は角閃石です」 「ルチル以外の鉱物である可能性があります」と説明を付けてもいいのでは。 自分で何となく見分けられるようになるまでに、さんざん「?」「?」「?」と、頭に「?」の行列をくっつけていた私としては、声を大にして言いたい。 もうちょっと、誤解のない説明をしてください! さて、話は戻って写真の石。 クローライトと銀色の角閃石がダブルで内包されたこの石は、最近、角閃石入りのガネーシュ・ヒマール産水晶を見かけることが多くなったせいで、全体としてはちょっと地味めに感じられますが、この石だけを見れば、やっぱり良いではないですが。 クローライトの色が、かなり深みのある緑なので、そこに見え隠れする角閃石は、まるで森の中に差し込む月光のよう。 ルチル、ルチルとさわぐのは、どこかで誰かが言い出した金運だの水晶のパワーアップだのという「効能」のためであって、水晶の魅力アップのパワーは、角閃石でも全く劣るものではないのです。 断言します。 2007年9月1日、ブログ掲載 |
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