ブラジル産 インディゴライト入り水晶

青の雫




今度はカボション

インディコライト入り水晶のカボションです。
産地はブラジル、ミナスジェライス。
実物はもうちょっとトルマリンが黒っぽくて、光によっては「ショール(黒トルマリン)入り?」と間違えそう。しかし、光に透かせば、やはり青。

ややトルマリンが太いので、ブルー・クォーツと言うよりはインディコライト(青トルマリン)入り水晶と言った方がぴったり来ます。

さて、インディコライトの細い結晶が、たくさん内包されることで青く見える水晶は、私が知る限り、2004年頃から市場で見られはじめ、2005年、2006年の間に、思ったよりもたくさん出回りました。
2006年には、閉山の噂を聞き、それはやはり事実だったのか、新しい産出は見られないようです。
市場全体を見回せば、ビーズなどに加工されたものが出回り始めていますが、これは、2005年、2006年に原石で流通したものが加工され、原石から遅れて市場に出たものだと思われます。

その証拠に、原石派石好きの目で見ると、ミネラルショーなどで、あれば扱っているはずのお店で、原石を見かけることが少なくなりました。
石の産出の源流に近い方で、見られなくなったということは、産出がすでにないか、本当に少なくなったのでしょう。

「もう採れない」。「え〜!」と騒ぐ前に冷静に

さて、「すでに閉山した」「もう採れない。今後値段が上がる」そういう噂は、いろいろ石について、いろいろなところで耳にします。
「もう採れない」……それが、気に入っている石だったり、まだ手にしていない場合は、かなりショック。
「え〜っ、本当ですか!!」と、騒ぐことになりますが、騒ぎながらも、まずはなんとか冷静に状況判断を試みます。

というのも、「閉山」「採れない」情報は、往々にして当てにならないからです。
最近でも、「(きれいな)ローズクォーツが採れなくなっている」「ルチルの鉱山が閉山した」という話を聞きましたが、そのたびに「えーっ」と騒いでいられません。

たとえば、A店で「ネパール・ヒマラヤのガウリシャンカールの鉱山は閉山してすでに採れない」
と言われた後も、B店には入荷し続けていたりします。

つまり、A店の仕入れに関わる部分では閉山したりしたかもしれませんが、他の鉱山は稼働している可能性もあるわけです。
ルチルやローズクォーツも同じこと。
これらは大産地ブラジルなどからやってきます。
産地は一カ所ではないでしょう。
ローズクォーツであれば、他の国でも産出します。

これが、ローズクォーツの「結晶が」という話になれば、産地も産出量も限られていますから、情報としてチェックに値します。
インディコライト入り水晶も、ブラジルのジェニパッポという、一カ所での産出なので、現地まで買い付けに行く業者さんの所にないと言うことは、すでにあらかた掘り尽くしたという話も、なるほどと思えます。

「そこだけ」の情報だったりする

ローズクォーツについては、一応先日おじゃました石屋さんに話をしてみました。
「ローズクォーツが採れなくなっているという、うわさが流れてるらしいんですけど」
……といったところで、顔を見合わせて、「そんなわけはない」と思わず笑い。
脈状に産出するローズクォーツは、大型機械でがりごり掘り出しているくらいですから、ちょっとやそっとで枯渇するとは思えません。
ルチルについては、金色のルチルが少ない、と言う話は出ましたが、「そのうちどこかでまた出るだろう」とのこと。

何しろブラジルという国は大きくて、掘っている場所は全体から見るとわずかだそうで、そのうちどこかで何かが出てくるだろう、と言うのです。
……というか、何が出てきても驚きません。

このままインディコライトの青水晶が、幻の青になってしまったら悲しいですが、そのうちどこかで、今度はルベライト入りのピンク水晶が出たりするかもしれません。

2007年9月10日、ブログ掲載
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