ブラジル産 ブルーファントム?・クォーツ

青き影




難しいブルー

原石派石好きのはずなのに、磨きの石も多いです。
それは、石の「形好き」であると同時に「内包物好き」でもあるからです。
未研磨のナチュラルで、内包物がきれいに見えているものがベストですけれど、なかなかないからこそのベスト。
「内包物〜」といっていると、自動的に磨きも増えます。

さて、今回の石は1.5センチほどの小さな磨き石。
たぶん、ファントム。
たぶんというのは、内包物がファントムを形作っているように見えますが、この手のファントムの中には、もしかしたらファントムではない、すなわち実はかつての結晶の形ではなくて、偶然似た形に内包されているものがあるように思うからです。
そんなわけで、もしかしたらファントムではないかもしれない
「たぶん」ファントム。

よく見ると繊維状のものが内包されて、内包物の輪郭が結晶の形っぽく見えています。
注目すべきは色が
青っぽく見えていること。

「クリスタルバイブル」の著者・ジュディ・ホール氏の「クリスタル&癒しの石」には、各色ファントムが紹介されていて、「ブルー・ファントム」の項目があります。
残念ながら、「何が」青いファントムを形作るのかの記述がなく、おまけに掲載されている写真が「普通のクローライト(緑)ファントム」に見えるので、別館サイトのツッコミで「ブルー・ファントムについては難しい」と書いてしまいました。

アメジストのように鉄(イオン)とカラーセンターなどの作用で水晶そのものが青くなることはなく、緑や赤の水晶のように、内包された鉱物によって青く見えるのが青水晶です。
しかし、水晶を青く見せる鉱物がすべてファントムになりえるかというとそうではなく、
ファントムになりそうなものは、かなりレアな部類に入ります。

例を挙げれば、今の段階で「青水晶」と言って思い浮かべるのは、インディコライト(青トルマリン)入りの青水晶ですが、私が今まで見た中では、ファントムになっているのは見かけません。
アエリナイト入りあるいはマグネシオリーベッカイト入りとされるスペインの青水晶は、結晶が小さく、形もはっきりしていないのが多いので、ファントムは望めないように思います。

ファントムを作る青い鉱物というと、パパゴアイトやジラライトが考えられますが、そろいもそろってレアな部類になります。

よって、ブルー・ファントムはなかなか出会うのが難しい。

今回場合は、繊維状であることからアンフィボール(角閃石)ではないかと思います。
アンフィボールの一種であるトレモライト入りのラベルがついていた水晶で、青っぽく見えているものを見たことがあります。

内包物の確かな正体は不明ですが、うっすら青いし、内包されているようすもファントムっぽいし、これならブルー・ファントムと言ってもいいかなあ……?

2007年10月10日、ブログ掲載
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