最初は「ルチル入り」 ナミビア産のインクルージョンいっぱいアメシストです。 差し渡しで1センチちょっとのかけら状ですが、一部錐面が残っていて、そこから想像すると、柱面が発達していない、ころんとしたDT(両錐)の結晶であるようです。 この石最大の見所は、内包物。 特に放射状に広がるように内包された針状の鉱物です。 実はこの石、最初「ルチル入りアメジスト」として売られていました。 ところが、ルチルとされていた針状の鉱物は、ルチルではなくてゲーサイトであるらしいのです。 買ったのと同じお店が、後で訂正した……という話を聞いたのですが、そのときは、「え? ルチルじゃないの? ゲーサイト? ふーん……」と、単に内包物の名前がかわった程度にしか理解できなくて、そのまま放置してしまいました。 そのため、「確かゲーサイトに修正されたはず」という記憶のみなのが悔しいところ。 今思えば、どうしてそれがわかったのか、どこで見分けるのか……というようなところまで、つっこんでおけばよかった! 一端ルチル入りで出てしまったためでしょうか、検索すると、同じ産地でたぶん同じ感じの結晶だろうと思う石に、「ルチル入り」「針鉄鉱入り」の二通りの説明が見つかります。 さて……ルチルか、ゲーサイトか。 石好き心だけは旺盛な素人の目で見分けるとしたら。 結論から言ってしまうと「ルチルではない」という情報が頭にあるせいかもしれませんが、今の私には、あんまりルチルっぽく見えません。 ルチルだよ、と目の前に出されても、「え? ルチル?」とまずは疑問符を付けるでしょう……たぶん。 どうしてルチルに見えないのか、というと説明に困ります。 一番の理由は「なんとなく」。 これでは言ったところで納得してもらえないでしょう。 もうちょっと理由を探してみると……。 ◆針状結晶の表面に金属光沢がない。 金属光沢。というか「銀色光沢」。 私は、ルチルかどうかを見分ける手がかりの一つにこの光沢を挙げます。 目で見えている色に関係なく……黒っぽく見えようと赤っぽく見えようと、茶色に見えていようと……どこかの角度で、針の一本一本が光を反射して銀色に輝く。 細い細いルチルだろうと、この特徴があるように思います。 (はっきりとした金ルチル、渋い金色である緑ルチルはちょっと判別しづらいですが) 写真の石は、いろんな角度から見てもこの光沢が確認できません ◆先端がぼさぼさぎみ? 個人的に考えるルチルの結晶の特徴その2は、針状の結晶の太さが根本から先端まで一定にみえるということ。 そしてその先端は、途中でとぎれていたとしたら、はさみで切ったように潔く、ぷつっととぎれている。 絹糸のように細いものでは、なかなか確認できませんが、小さいとはいえ、写真の石に内包されている程度の太さがあれば、その特徴は十分確認できるはず。 しかし、写真の石の針状結晶は、ルチルにしては短くて、先端が何となくぼさぼさぎみ。 全体的にルチルらしいシャープさに欠けているように思われます。 ◆太さが違う、色が違う? 写真のように放射状に内包されている場合、ルチルであれば針状結晶の太さがほぼ一定の場合が多いような気がします。 また写真の石は太いものとやや細いものでは色が違って見えますが、ルチルであればそのようなことはないのでは……。 密集具合によって、根本と先端の色合いが異なって見えることはあっても、一本一本で色が異なるという印象はありません。 ◆色が一緒? しかしながら、この針状結晶は、透かすと赤く透けます。 ゲーサイトも赤く透けるし、ルチルも赤。 ところが……見るからにルチルに見えない、放射状結晶以外の、散らばって内包されている黒いものも、実は同じように赤く透けて見えているところがあります。 その色合いは、素人判断ながら、針状結晶と同じ赤に見えます。 深紅というより、オレンジ〜茶色がかった赤。 これは……放射状の針状結晶と、周りの黒いものが同じということでしょうか。 説明に困ると言いながら、列記すると理由があるじゃないか! ……とまあ、こんな理由で「ルチルには見えないんだけど」と素人判断。 これがルチルがゲーサイトか、はっきりした結果をお持ちのかた、情報お待ちしております。 2007年10月30日、ブログ掲載 |
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