ウラル! I ロシア産水晶です。産地はダルネゴルスクではなくて、ウラル。
近年、ロシアの水晶として見かけるようになったウラル北部のプイバやドドではなくて、南ウラルの水晶です。 ラベルは、チェリャビンスク州アスターフィエフ産となっています。 実は、この産地はロシアンレムリアンの産地、あるいは、ロシアンレムリアンの鉱山ととても近い場所であるという噂があり、数年前にこの石を買ったときは、「アスターフィエフ? もしかしてロシレム!?」……と考えたことを白状しますが、今となってはそれもどうでも良くなってしまいました。 なかなか「これ」という全体像が撮れないことに頭をひねり、いろいろな角度から眺め回していると、ロシアン・レムリアンであるか否かよりも、この石がこの石であること、この石ならではの表情の方が遙かに魅力的で、おもしろく感じられるのです。 表面がややこすれた感じなので、見た目は透明度が低く見えますが、たぶん内部は透明、色味はほぼなし。 全体的にころんとした形状で、二つの結晶が微妙な角度でくっついているため、二つの結晶をともにきれいに写そうとすると、うまくいきません。 先端部分がよく見える方の結晶には、写真に写っているように、さらにくっついていた結晶がはずれた痕ではないかと思われる、欠けではないけれど、大きなへこみがあります。 整った結晶を良しとする観点からは、完全に「傷」ですが、私はこのへこみが見所の一つだと思っています。 このへこみは、石の採取の際にはずした痕ではないようで、へこみの部分にも「△」(成長丘)のようなものが見えて、やや古さを感じさせます。 この「古傷」をイメージ的に写してみたのが2枚目の写真。 |
さらに、この水晶の一つの面には、かなり大きな「△」があります。 ふつう、レコードキーパーとも呼ばれるこの凸状「△」は、大きさにして数ミリ、肉眼で確認できればいい方で、写真では「△」が写れば御の字という感じです。 ところが、この石の「△」は、その大きさもあって、はっきりと凸状の立体感が写せます。これがまたカッコイイ。 慎重に角度を調整して写してみたら、周りの「△」までが写り込んで、不思議なレリーフのようになりました。 よく見ると、大きな「△」のなかに、さらに「△」があるように見えて、う〜ん、芸が細かい。 2007年11月12日、ブログ掲載 |
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