ブラジル産 メタモルフォーゼス・クォーツ

名前の由来は「変身!」




「変身」という石。

ミルキークォーツのタンブルかと思いきや、さにあらず。
メタモルフォーゼス・クォーツという石だそうです。綴りから言うとメタモルフォシスらしいのですが、一般にはメタモルフォーゼスと紹介されています。

写真には、2つ写っていますが、実際は親指の爪より一回り大きいくらいの小ぶりなタンブルの方向違いです。
メタモルフォーゼス・クォーツの名前が示すように、水晶の一種で、見た目は半透明なミルキークォーツ……と言うか、何の説明もなしにホイと目の前に出されたら、きっと、ミルキークォーツやジラソルと見分けが付きません。

メタモルフォーゼスはこんな石

メタモルフォーゼスがメタモルフォーゼスたるゆえんは、ガンマー線を照射してさらに300度くらいの温度で熱すると、グリーンゴールド色に変化して安定するところにあります。
この変色したものを「オーロベルディ」と呼んでいるのを聞いたことがあるのですが、最近はあまり聞かないような……。
私のようなわがまま原石派だけでなく、クリスタルヒーリングの世界でも、放射線をあてて変色させた石はあまり好まれない傾向にあるようですが、この石に限ってはそのようなことはないようです。

メタモルフォーゼスについてざっと検索してみると、まず出てくるのが、

●「変容・変革」の石である。
●ネガティブな考えをポジティブな考えに変えるサポートをしてくれる。


というものです。
一時期は、「変革・変容」としか出てこなくて、他のミルキークォーツとどう違うのかがさっぱりわからず、ずいぶん首をかしげたものです。
その後さらに調べていくと、

●ブラジルのディアマンティーナで採れる。
●ガンマ線+300度の加熱でグリーンゴールドに変色する。
●5,6年前にクリスタルヒーラーのA.メロディ氏が注目した。
●結晶形を示さず塊状で産出する。
●ピンク色のものもある

ということがわかってきました。さらに、

●ミルキークォーツより透明度が高いように見えるのが特徴。
●アルミナ元素が水晶内部にコロイド状に分布しているため、
  乳白色のオパールのように見える。

ということもわかりました。

コロイドって何だ?

なるほどなるほど、アルミナ元素がコロイド状なのね、と納得しかけましたが、そうは問屋が卸しません。
アルミナと言えば、アルミナの結晶はコランダムですが、(コランダムに微量の不純物が混じることでルビーやサファイアになる)水晶でいえば、スモーキー・クォーツにもアルミニウムが関係していたんじゃなかったか。

アルミニウムとアルミナはどう違うの?
方や黒っぽく、方や乳白色なのはなぜ?
なぜ、アルミナが入っていると変色するの?
コロイド状って?

……わかりません。
しかたがないので再度検索です。

溶けているように見えて溶けてない

結果、アルミナは酸化アルミニウムのことでした。
そして、コロイド状とは、
「コロイドとは1ナノメートルから1ミクロンメートルサイズの固体、液体もしく は気体が固体、液体または気体の連続相に分散した状態のものを指す」のだそうです。
わかりやすく言えば、
ふつうの顕微鏡では見えないくらい小さい粒が他の物質に散らばっている状態……というわけで、霧や煙、牛乳などもコロイドといえます。
つまり、溶けているわけではないけれど、粒子が細かく散らばっているので溶けたように見える状態……とでも言いましょうか。

ご存じのようにスモーキー・クォーツは、水晶を形成する二酸化珪素の一部がアルミニウムに置き換わったもの、つまりイオンの状態で結晶に組み込まれているので「完全に溶けた」状態。
メタモルフォーゼスは、「コロイド状」なので、アルミニウムがアルミナの細かい粒の状態で水晶中に散らばっている、いわば「極小インクルージョン」……と言うことなのでしょうか。

また、溶液とコロイドを見分ける方法として、光を通すとその通路が濁って見えるチンダル現象というものがあります。
原子に比べるとコロイド粒子は非常に大きいため、光の錯乱が起こる現象です。
つまり、メタモルフォーゼスの乳白色は、チンダル現象によるものと言えそうです。

勝手に想像、メタモの謎

次に、謎の変色についてです。
これについては、調べてみてもこれぞという話が出てこなかったので、
勝手な推測をしてみます。

みなさんよくご存じのように、アメシストを加熱処理するとシトリンになります。ところが、以前教えていただいたことによると、ある種のスモーキーからもシトリンをつくることができるようなのです。

簡単に言うと、シトリンの黄色をつくり出す原因は鉄です。
そしてスモーキーは加熱すると色が消えるそうです。
(逆に透明な水晶に放射線をあててつくったスモーキーやモリオンがありますね)
そのため、鉄イオンを含んだスモーキーを300度くらいで加熱すると、スモーキーの色が消え、同時に含まれた鉄イオンの作用でシトリンになるというわけです。

ですから、スモーキーのアルミニウムイオンに対し、酸化アルミの微粒子を含むメタモルフォーゼスは、ガンマ線をあてられることによってスモーキー・クォーツと似た状態(?)になり、さらに加熱されることでシトリン化する……
……という感じでいかがでしょうか。
でも、これだと鉄を含んでいる必要があるんですよねえ……。

それにしても、メタモルフォーゼスは、見た目半透明の塊状石英ですから、そういう石にガンマ線をあてて、さらに加熱するなんて面倒なことを、よくぞする気になったものだとちょっと感心します。

ところで、ピンク・メタモはどうなんでしょう。
普通のローズ・クォーツに比べてミルキーっぽいかんじのようですが、これもアルミナに加えてローズ・クォーツの発色原因とされるチタンの微細な結晶を含んでいると言うことになるんでしょうか。

……すると、ピンク・メタモを加熱すると、白いメタモと同じように変色するのでしょうか。
色合いが違うのでしょうか。

うーん……。
謎は深まるばかりです。

※追記
メタモルフォーゼスをオーロベルディに買える途中のものを見せていただきました。
予想通り、ガンマ線をあてられた段階のものは不透明まっ黒。これは、スモーキー・クォーツと同じ状態であると思われます。スモーキー・クォーツは加熱すると色が消えるので、、メタモルフォーゼスもこの後加熱されるこで黒い色が消え、グリーン・ゴールドになると思われます。

グリーン・ゴールドに変色したメタモルフォーゼスは、宝飾品として人気があり、加工されてしまうので、加工前の塊状原石ではあまり出回らなくなったのだとか。

(2005年5月9日、ブログ掲載)
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