現代絵画のような カットされたルースというよりは、ラフカット。 あまりきっちり磨かれていないルーズさが、「ラフカット」と言うにふさわしい感じです。 大きさは1.3センチほど。 写真で下になっているあたりが白く霧状のインクルージョンになっていることから見て、インクルージョンの入った石の根本近くを磨いたものと思われます。 残念ながら産地は不明です。 考えられるのはブラジルかインド……と思っていたら、つい先日、某鉱物店の即売会で、これによく似た石がナミビア産のラベルで売られていました。(さらにマダガスカル産も見ました) 斑に入るアメシストの色鮮やかさは、ナミビアと言っても通じるかも。 でも一緒に売られていた石から推測して、やはりインドが最有力かと思っています。 クリアな水晶に斑にアメシストが入り、針状の鉱物が花火のように放射状に広がっているところに、丸い薄片状の鉱物が散らばっている……という感じ。 この鉱物はどちらも黒っぽいメタリックカラーです。 散らばり具合がちょうど良くて、まるで石の中の抽象絵画。 中身は何だ? ……と私にわかるのはここまで。 このインクルージョンされたのがどんな鉱物なのかは、特定することができません。 丸いのはヘマタイト? 針状のはゲーサイト? ……とひたすら「?」付きで頭をひねっております。 一方即売会で売られていたそっくりさんは「ルチル入り」となっていました。 売っていたのがちゃんとした鉱物屋さんなので、信じたいところですが、「ルチル」という表記には気をつけなければならない場合がよくあります。 「パワーストーン」としてタンブルやアクセサリーをあつかっている店では、特に、「針状のインクルージョン」は何でもルチルにしてしまう傾向がままあるからです。 黒い針が散らばったように入っているものが「ブラック・ルチル」。 これはショールトルマリンのインクルージョンであることが多いです。 同じく「グリーン・ルチル」。これは緑閃石(アクチノライト)だったりします。 中にはマダガスカルで産出する「ホランド鉱入り水晶」(星入り水晶)を、「スター・ルチル」と呼んでいるところもあります。 ●●ルチルというと、なんだかきれいに聞こえますが、どれもルチルとは無関係な鉱物である場合があります。 セールス・ネームだけで判断して「ルチル入り水晶の効能」を見てしまうと、とんでもない勘違いになりかねません。 中に入っている鉱物が何であれ、美しさには変わりないのですが、これが何であるかくらいは知りたいなあ……と思うのですが。 (2005年7月21日、ブログ掲載) |
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