パキスタン産 アクアマリン付き水晶

アクアマリンの逆襲





そりゃ、当然あるでしょう。

2005年末からどうやら大波となって押し寄せているのが、アフガニスタン・パキスタンの石。
続くかも……と言っていたとおり、パキスタンの石でございます。
産地はパキスタン北部のスカルドゥ。ギルギット、シガールとともにアクアマリンの産地です。
となれば、当然あるでしょう……というのがアクアマリン付水晶!
雲母(マイカ)は、水晶の光を反射している面に、ラメのように点々とくっついています。

この石は、2005年末の池袋でゲット。
ほんのりスモーキーな色合いの水晶に、淡いながらもしっかり水色のシャープなアクアマリン付。
水晶の長さは約8.5センチ、アクアマリンは1.5センチのしっかりサイズ。
これで、水晶が透明だったら、全体的な色味が淡すぎて、きれいだけれどもぼやけた色合いになっていたことでしょう。
この石は、水晶がほんのりスモーキーであることがミソなのです。
いろいろ資料を読んでいたら、アクアマリンはペグマタイト鉱脈に出るらしく、ペグマタイト鉱脈には母岩に放射性の鉱物が混じるので、水晶はスモーキーになりやすいのだそうです。

ペグマタイトという舞台裏

なるほど。淡い色合いながら全体を微妙に引き締めている水晶の色は、偶然ではなく、アクアマリンが誕生する環境による必然だったのです。

ペグマタイトとは、巨晶花崗岩とも言い、地下からマグマがあがってきて冷え固まっていく際、深いところでゆっくりじっくり粒の大きな結晶を作っていった火成岩です。
このとき、マグマの中から押し出された水や気体が空洞を作り、その中ではさまざまな鉱物が結晶を作るのです。
アクアマリンなどもその一つです。
つまり、逆に言えばこの組み合わせは、この石が誕生した場所には、地中からマグマがあがってくるような環境があったということ。
さらに言えば、ヒマラヤ山脈に続く場所であることから、インドとユーラシアのぶつかり合いが大地を溶かし、マグマとなって昇ってきたということ。

濃すぎない上品な淡いスモーキーで、写真にも写っているように、ふわっと曇った感じがオパールっぽい雰囲気で、全体的に優しい感じの石に見えますが、地球が蠢ききしみ、巨大山脈を作り上げた力によって生まれた石だと言えるのではないでしょうか。

(2006年6月13日、ブログ掲載)
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