ネパール産 緑泥入り水晶







これはタビュラーか

ヒマラヤ水晶です。ガネーシュ・ヒマール産です。
ここでちょっと疑問が……。タビュラー・クリスタルと呼ばれる水晶がありますね。
その条件は、
●先端がマイナスドライバーのように一直線になっている。
●全体が板のように平べったくなっている。
いうもの。
タビュラーという言葉自体が「平板状の」という意味なので、2番目の条件を強調したいところです。
……が。
全体的に平べったいけれど、先端がマイナスドライバー状ではなかったら、どうなるんでしょう?
写真の石が疑問の発端です。
全体的にうっすら緑泥をまぶしたようになっていて、ややマットな落ち着いた雰囲気です。
この水晶を上から見ると……



こんな感じ。かなり平べったいです。
平べったい結晶が引き戸のようにずれて二つ一緒になった感じとでも言いましょうか。
平べったいことは平べったいのですが、ご覧の通り、先端はとんがりです。
さて、この場合は、タビュラーと言うべきか、そうではないのか。
板……ではなさそうなので、タビュラーではないのでしょうね。たぶん。

これはセルフヒールドか

さて、この石、1枚目の写真を見ていただくと。下部が斜めになっています。
水晶には、明快な劈開(ある一定の方向・形状に割れやすい性質)はありませんが、ぽっきり折る感じに割れると、なんとなーく斜めになりがちです。
しかし、この場合は折れたのではなくて、斜めになった断面も完全結晶。いわゆる「セルフヒールド」のように細かな鱗状になっています。
おそらく、一度折れたところが再結晶したのではなく、もろい母岩にくっついていた部分が母岩に食い込むように結晶したのだと思います。

写真では裏面に当たる面は、緑泥がかぶさっていなくて、内部の緑泥がよく見えます。
つやつやなだけに、光が微妙に反射して、あまり写りは良くありません。
この石については、どちらかというと、クローライトが表面にくっついてつや消しになっている表情が好きです。
形が整っているせいか、物静かでかっちりした感じですが、そこはさすがネパール・ヒマラヤ。
カメラを通してじっと見ていると、芯にはけっこうワイルドで熱く強いところがあるように思えるのですが。いかがでしょう。

(2006年7月16日、ブログ掲載)
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