南アフリカ産 スギライト

名は体を表すか





三大ヒーリングストーン

三大ヒーリング・ストーンなるものがあるのだそうです。
一体誰が3つを選ぶのかは知りませんが、その3つは

ラリマー、チャロアイト、スギライト
なのだと聞きました。
おお……どれも輝くお値段の持ち主ではありませんか。
そして、申し合わせたように結晶の形を持たない石ばかり。
出回っているのはタンブルや宝飾用に磨かれたもの、あるいは、ぶっかき氷風「原石」かその一面磨きです。
なので、「透明感あり/結晶」系原石派である私には、ちょっぴり遠めの石たちです。
持ってはいるのですが、数の上では少数派。

今日の石にいたってはたったの二つしか持っていません。
そのうちひとつはタンブルとも言い難いチップなので、「ひとつ+α」という感じ。
三大ヒーリングストーンのひとつ、ラリマーはすでに登場しました。
今日はその2番手……
スギライトです。

 リクトライトじゃなくて

スギライトと言えば紫の石ですが、その紫色にもさまざまあり、ほとんど黒のものから深い紫、ピンクがかった鮮やかな紫、青い部分が混ざったものも見られます。
スギライトの紫はアルミニウムや鉄の割合で色が変化するほか、カルセドニーやリクトライトが混じっているものもあるそうです。
写真のスギライトは直径2.5センチ。
青みが混じったスギライトも鮮やかで美しいと思うのですが、スギライトと言えばこの深い紫かなあ……と、深い紫色の部分が多いものを選んでみました。

そうそう、この青い部分は「リクトライト」と紹介されていることが多いですが、正式には「リヒテライト(リヒター閃石)」といいます。
リクトライトは宝石業界名なので、鉱物的に調べるならば「リヒテライト(リヒター閃石)」でどうぞ。


 「杉」石

スギライトは和名を「杉石」といいます。そうです。スギライトは日本人が発見した石なのです。
現在、私たちが目にするスギライトは、ほとんどが南アフリカ産ですが、日本人がはるばる出かけていって発見したのではありません。
スギライトが最初に発見されたのは、愛媛県。
1942年、九州大学の杉健一氏と久綱正典氏によって、当時の越智郡岩城村で見つかりました。
そのときはユーディアライトのような鉱物と思われていましたが、約30年後に村上允英氏が分析、調査した結果新たな鉱物とわかり、1977年に杉健一氏にちなんで「杉石」と名付けられたそうです。

日本で発見された後にインドや南アフリカでピンクや紫色のスギライトが発見されていくわけですが、村上氏の調査・研究によって新種とわかりIMA(国際鉱物学連合)に申請されたのが1976年。
南アフリカで美しい紫色の石として発見されたのが1975年なので、「スギライト」の名前は、ちょっときわどいタイミングで成立したわけです。
まあ、名前がどうであれ、美しい石であることに違いはない……と思われるかもしれませんが、この場合はどうでしょうか。

スギライトについて調べていて一番驚いたのは、

スギライトは、紫色の石ではない
ということです。

私たちが普段目にする南アフリカ産のスギライトは、マンガンを含んでいるために紫色をしていますが、
純粋な杉石はウグイス色(黄緑色)なのです。
つまり、紫色のスギライトの方が変種というわけで、
スギライトはまさにスギ色
……名は体を表す?



(おまけ)
スギライトは「スージーライト」とか「スージャライト」などと呼ばれて、いわゆるインディアンジュエリーに用いられていることがあります。
スギライトのアクセサリーと言えば、ブレスレットとかシンプルなペンダントヘッドを見かけますが、インディアンジュエリーのジャンルで根気よく探すと、ちょっと変わったデザインのものが見つかるかも。


(2005年4月5日、ブログ掲載)

 

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