ルチルといえば。 「ルチル」と言えば、石好き、特に水晶系石好きさんにとっては「ルチル入り水晶」のことだったりします。 「ルチルのブレスレットがねー」などという場合、ルチルという鉱物単体を指していることはまずありません。 水晶の中に内包された、金色や銀色、薄赤い金属光沢、鋼のような金属色。 その様子も針状であったり、繊維のようにしなやかに波打っていたり。 注意したいのは、水晶に内包される針状の結晶は、十把一絡げでルチル扱いされることが多いことです。 藍ルチル、緑ルチルなどと呼ばれているのは、トルマリンやアクチノライト入り。 どうやらガネーシュ・ヒマールなどのヒマラヤ水晶の「ルチル」も角閃石説が濃厚です。 「黒針ルチル」も黒トルマリン入りであることがほとんどですが、中には、黒っぽいルチルの場合があるようです。 また、「銀ルチル」といっても「真珠っぽい白」の場合はたぶん角閃石でしょう。 ルチルであるか否か……その見極めのポイントのひとつが「金属光沢」、あるいはしなやかさ。 黒トルマリンかルチルかを見極めるには、疑惑の「黒針」が金属光沢を帯びているか、かつ、針状の内包物のなかに細く長く伸びて、しなやかに弧を描いているものがあるかどうかがポイントです。 金属光沢+弧をえがくものありであれば、ルチルの可能性大。 ただし、「金属光沢」の解釈には個人差があると思われるので、完全には言い切れません。 透けると赤い石 さて、今回の石は「おお、金紅石入りだねえ……」と私を納得させてくれる石です。 ポリッシュで、なにやら固そうな茶色の針状鉱物が縦横無尽にギッシリ。 一本一本が太めで色が濃いのでゴツイです。 さて、よくご覧下さい。 この針状の鉱物の中に、赤く透けているものがあちこちまざっているのがおわかりいただけるでしょうか。 金紅石とはルチルのこと。 水晶の中に入っていると、金色だったり銀色だったりするせいですっかり忘れがちですが、ルチルはもともと透けると赤い石なのです。 つまり、写真の石は実はルチルらしいルチルだというわけで……。 実は、以前にもっと太くてすてきに透けるルチルを内包した水晶を見つけたのですが、私のお財布と相容れずに見送ってしまいました。 またの出会いをお待ちしております……。 最後に。ルチル単体をご覧になりたい方はこちら。 ルチルの結晶は、光を反射しているところは金属光沢で、透けると赤く、太く大きくなって透けなくなると黒く見えます。 2006年11月11日、ブログ掲載 |
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