一癖あり ペルー産のロードクロサイトです。 ロードクロサイトといえば、ピンク色が頭に浮かびますが、この石は、深紅というにはやや淡めであるものの……赤。 カルサイトの犬牙状結晶を思わせる、鋭い形をしています。 ただし、結晶の長さは6〜7ミリと、要マクロレンズサイズ。 ロードクロサイトという石は、私にとって、「原石であること」に魅力を感じる石です。 特に、花を思わせる鮮やかな色をしていながら、今回の写真のような鋭い形をしていたりすると、わくわく度アップ。 いかにもロードクロサイト、むりやり和訳すれば「薔薇色石」というピンク色ではなく、一癖ある色合いに心惹かれてしまうのは、ちょっと天の邪鬼的な意識が働いているのかもしれません。 それだけじゃない。 何に対しての天の邪鬼かと言えば、それは「パワーストーン」。 個人的意見を言わせてもらえれば、ピンクの石、かわいい石、恋愛の石……とあんなにも十把一絡げで意味付けしなくても良かろうにと少々かわいそうに思っています。 確かに、ビーズに加工されている石は、かわいらしいピンク系の色合いですが、ひとたび原石に目を転じれば、「ヅケまぐろ色」で笑いをとったガボン産や、今回のようなペルー産、青森の尾太鉱山で、水晶のクラスターの表面を覆い、鮮やかな薔薇色であるものの、これが晶洞の一面を覆い尽くしていたらさぞかし壮観で異様な光景であっただろうと思わせるものなど、簡単に恋愛の石とは言い切れない、癖のある石をも含むのです。 ビーズと原石を同じ土俵で比べるのは、あまり意味のないことかもしれませんが、石の楽しみ方はパワーストーンとしての楽しみ方だけではありません。 もちろん、純粋に鉱物として楽しむものあり、ただその美しさをめでる楽しみもあり、私のように、写真に撮ったり、中途半端に理屈をこねるやり方もあり。 パワーストーンというのは、石と出会うひとつの大きな機会です。 しかし、必ずしもパワーストーンの意味付けや石のとらえ方の枠にはまっている……はまリ続けている必要はないと思うのです。 もちろん、私がこういうことを言うからと言って、パワーストーンとして石を楽しむのが、間違っているわけではありません。ある意味私自身、自分の枠にはまり続けているのかもしれないわけですから。 ただ、パワーストーンで石に出会い、いつの間にかそこからはずれて、脇道を行く一石好きとして……そして、あえて自分に対しても、ひとこと。 「石の世界って、もっと広くて自由だよ」 2006年11月30日、ブログ掲載 |
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