光の色 9月、暦の上では秋でも、気分はまだまだ夏です。 しかし、着実に秋は近づいている……と感じるのが太陽の光。 7月、8月初旬に比べて、確かに黄色みを増し、夕暮れ時ともなれば、金色の光が差し込みます。 人間の目というのは不思議なもので、光が少々黄色みがかっていたり、蛍光灯で青み(緑み?)を帯びていたりしても白いものは白く見えてしまいます。 ところが、デジカメはダメです。黄色い光では,はっきり黄色く写してしまいます。 石を撮ることで、デジカメとのつきあいを続けていたら、デジカメをのぞいていなくても、意識すれば「あ、蛍光灯で緑っぽい」とわかるようになってきました。 現在、蛍光灯の光の元でパソコンを打っていますが、太陽光と色が違うのがわかります。 色付いた光は、写真にとってあまりありがたくありませんが、この石には今の黄色みを帯びた光が似合います。 国産にも注目 数年前に発見された日本の水晶です。 産地は奈良県吉野の天川村。レインボーガーネットと同じ村です。 ご覧の通りの黄色い水晶ですが、(黄色い光で黄色く見えているわけではありません)インクルージョンによって黄色く見えているのだそうです。 色が濃いもの、薄いものとバリエーションも豊か。ちょっと半透明な、いわゆる「寒天カラー」です。 こんなきれいな水晶が出るのですから、国産水晶もなかなか目を離すことができません。 この水晶の一番の見どころは、真ん中の水晶に見えるような「芯」。 すべての水晶に……というわけではありませんが、かなりの割合で芯を持つ水晶が存在し、中にはこの芯の部分が空洞になっているのもあるといいます。 黄色く見える原因は極小の角閃石とも言われますが、この「芯」の部分は謎。 手持ちの石でみてみましたが、芯の断面は六角形で、先細りの玻璃のような形状をしています。 「芯」のようなものが入った水晶というのは、ダルネゴルスクなどで見かけることがありますが、これに比べると天川村の黄色水晶の芯は形がはっきりしておらず、芯の先端からさらに泡のようなものが先端に向けて立ち上っているように見えるものがあったりして、芯になる細い水晶の上にさらに水晶が結晶した……と単純に考えることができなくなっています。 こんなにきれいで不思議な水晶なのに、レインボーガーネットほど話題に上らなかったのは何故でしょう? 私が知らなかっただけでしょうか。 ヒマラヤだ〜、ロシアだ〜、マダガスカルだ〜と世界の水晶に一喜一憂しつつ、国産水晶にも目を光らせている今日この頃です。 |
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