ドリームクォーツ 2006年のツーソン戦利品第2弾です。 コロンビア産のエピドート入り水晶なのだそうです。 最近新たに見つかった水晶で、「Dream Quartz」と名前が付けられているのだとか……。 水晶の中に、繊細な緑のインクルージョンが揺らめきたなびくさまは幻想的で、まるで、おぼろげな月光を閉じこめているよう。 2006年のツーソンショーで出回ったらしく、何店かで見かけました。 見たり、聞いたり、説明書をいただいた情報を総合してみます。 実は、このコロンビア産の水晶、よーく見るといくつかのタイプがあります。 大きく分けると、一つは、写真のようにペール・グリーンのもやもやが結晶の中心部から内包されているもの。 もうひとつはやや白濁し、緑色は比較的表層部分にファントム状に入っているもの。 あるお店で聞いた話によると、前者の方、つまり内部からもやもやした緑がはいっているものが「ドリーム・クォーツ」なのだそうです。 いくつかタイプがあるらしい ところが。 この「ドリーム・クォーツ」にも、いくつかタイプがあるような……。 ひとつは、写真の石のようにやや緑がかったもの。 そしてもうひとつは、「やや青みがかったもの」。非常に微妙な違いなのですが、確かに違う。 エピドート入りの「緑水晶」というよりは、「青水晶」……? そこでハタと思い出しました。……コロンビアのほんのり緑な「青水晶」があるじゃないか! それはこちら。しかし、コレはアクチノライト入りだったはず。 写真の石のもやもやぐあいは、エピドートよりもアクチノと言われた方がしっくりします。 しかし、同じ産地から採れたという、「芝生のように生えそろったエピドートの上に乗っかった水晶」を 見せてもらったことでもあるし、同じ色の水晶でエピドートが食い込んでいるのもあるので、内包物はエピドートでいいはず……。 でも、なんだか納得できません。 写真の石はご覧の通り揺らめくような内包物ですが、エピドートが食い込んでいるのは、内包物が直線的です。 しかも……。 |
こちらの写真は、石の裏側ですが、そこに見られるあばたのようなへこみは、クロシドライトのような、石綿系の鉱物が抜けた痕に酷似しているのです。 これでもほんとうにエピドートのインクルージョンなんだろうか。 ドリームクォーツの謎 コロンビアの淡い緑の水晶について整理するとこうなります。 (1)緑色は比較的表面でファントム (ドリーム・クォーツではないらしい) (2)緑色が中心部分から内包。内包物はエピドートとされている。 ふんわりぼやけた感じ。(写真の石/ドリーム・クォーツ) (3)2と似ているが、色合いがやや青っぽい。 特に青い部分が粒状にファントムを形成しているものもあり。 (ドリーム・クォーツ) (4)色合いは2と同じ感じだが、内包物の感じが極細でも直線的。 エピドートが食い込んでいる。(ドリーム・クォーツ) (5)見た目は2とそっくりだが、内包物がアクチノライトとされている。 一見同じようでも、こんなにあるとは。謎は深まるばかり。 いや……そもそもドリーム・クォーツって、ハーキマー・ダイヤモンドのことじゃなかったか。 深まるどころか、謎は振り出しに戻る。 2006年3月14日、ブログ掲載 |
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